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褪色

褪せてゆく色香の代わりに身に纏う思い出という重い外套


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本棚の中で四辺から黄ばみ出していくノートや本。
秋の陽を反射しなくなった金属類。

白さや輝きを手放したモノたちが代わりに纏うのは思い出。

同じだけの時を刻んでいたことすら忘れ、一瞬だけタイムワープする。

あの時の白さあの時の輝きあの時の香りは、すでにもうそこにはないのに。

遡れない時の流れを脳内で補完し映像化したところで。


思い出は軽やかなものだけでいい。

私の両肩は小さい。



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