ご一緒に
秋風にかさとめくられゆくように響くひとこと さみしい とだけ
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今の間に と家事を片付けていると「ひとりでおやつはさみしいの」と2歳児が言う
がちゃがちゃがちゃと洗い物をしていたら
ぐあんぐあん回る洗濯機の側にいたら
ごぉごぉがぁがぁ掃除機を掛けていたら
聞こえて来なかったかもしれないほどの小さな声で
訴えてくるわけでもなく
求めてくるわけでもなく
その分とても切実で
それからはマグカップを持って横に座るようにした。
でも、だからって何かが始まるわけでもない。楽しそうに嬉しそうに黙々とおやつを食べるだけ。「ひとつ頂戴」と言えば、気前よく「どーぞ」と掌に乗せてくれる。
近ごろは「ご一緒に」が「いただきます」の前につけられるようになった。
「さきにたべたらダメだよ」と注意されるじぃじ。笑
誰かが居るだけ、そこに居るだけで価値があるんだなと思った。
一人で過ごすことが多くなり過ぎて、自分ではない誰かの形や影や温もりを忘れかけてる。
ご一緒に
名もなきままでも名も知らぬ誰かに出来る何かがきっとあるはず