見出し画像

結婚資金をカフェ開業に全額使った話

7年前。
貯金30万しかなかった僕が、それまでにありそうでなかった「日本茶カフェ」を開業しようと決意した時。

まず、開業資金をどうしようかという壁にぶつかった。

その当時、吉祥寺の三鷹の森美術館の近くでUNI STANDというコーヒーと日本茶のお店をやらせていただいていた。
"やらせていただいていた"というのも、UNI STANDは元々デザイン会社のオフィス兼店舗として計画されていおり、そこでカフェ運営を任された別会社の社長さんにたまたまイベントで知り合い、誘われて業務委託という形で店長をさせていただいたのがUNI STANDだった。

とこの後続くUNI STANDの2年間は僕の人生を大きく変えた話なので、これ以上書くとそれだけになってしまうので、また別の時にまとめますね。

UNI STAND時代の末期。
海外に日本茶カフェを開きたいとう相談を受けたことがSaténができるきっかけとなる。

相談された方は僕の他にもう一人、Saténを共同創業した藤岡氏にも運営面で相談をしていた。僕はその当時は、日本茶の専門家としてジョインする予定だった。
毎週のように3人で話し事業計画を立てる段階までいったところで、この話は頓挫する。
頓挫した理由は計画面、資金面と色々あったが、大きくは行く予定ではなかった僕と藤岡氏も海外へ行くことが前提となっていたことが大きかった。

ただ、この時の話が大きく盛り上がり、これで終わりにするのは勿体無いと、僕と藤岡氏の2人が国内で開業をする方向へとシフトしていった。

当時、UNI STANDもデザイン会社のオフィス移転の話と共に閉店の話が上がって
いたこともあり、日本茶カフェ計画はUNI STANDと並行に進めていくことに。

ここで、今日の本題である結婚資金を全額突っ込む。(おっそ!)

その当時、結婚したばかりで翌年には結婚式を挙げる予定だったため、自分の親から祝い金として結婚式の資金をもらっていた。

「日本茶カフェを開業するから、親からもらった祝金を使わせて欲しい」

結婚早々、最大の危機を自ら招いた。
貯金もない、親からの祝金も出さないということは、結婚式に一円も出さないことになる。
でも、この金がないと起業も開業もなくなる。

人生最大のお願いに奥さんは"いいよ"と応えてくれた。
ただし、結婚資金は私が建て替えるから、毎月決まった額を返金することを条件として。
(この時、本当にこの人と結婚できたことに感謝した。)

そして、この度使った祝金を全額奥さんへ返済した。

返済期間6年強。
正直な話、開業当時はSaténがそこまで続くのか不安があった。
3年生存率が30%と言われている飲食業。さらにそこでほぼ前例のない日本茶専門店のカフェが東京で6年続けていく難しさは、希望と共に計り知れない不安もあった。

その後、Saténが毎月のように雑誌やWebメディアで紹介されるようになり、インスタのフォロワー数も1万を超えるほどに成長した。
業界内でも一目おいていただける店となり、専門誌でも多く取り上げていただき、農水省の資料にも掲載していただいている。

そして、誰も体験したことのないコロナのパンデミックも経験し、廃業の危機も何度も経験した。
長い長い道のりも歩み続けていれば進んでいくもので、1年、1年と過ぎていく中で、毎月奥さんへ感謝と共にお金を返していった。

この6年でSaténの他に、日本茶メディアや業界を代表するイベントの立ち上げ運営など、さまざまな事業もやらせていただき、Saténを起点として日本茶を扱っていただけるお店も増えた。
今、7年目を歩んでいる。
この間に、愛する奥さんとの間に3人の子供も授かれた。

あの時奥さんに下げた頭と共に決めた覚悟は、返済した今でも変わっていない。
だから今も歩みを止めずに進み続けられる。

いま、当時の僕と同じように夢を追い、実現しようとしている人たちもきっといることでしょう。
7年間日本茶カフェという難解でカルチャー色の強い業種で走り続けている僕でよければ、お話し伺います。
まずはどんなことに悩んでいるのかお聞かせください。

お茶飲みながらお話ししましょう。

いいなと思ったら応援しよう!