2021年~ 舌がんをめぐる記録 が書けない 後編
内科を受診していた際、担当のY先生の問診や診察の中で、白衣高血圧を始め、心理的・精神的な影響が大きそうだねと話してくれました。そういった治療には漢方薬を使う方法もある、と提示もされました。
結局、その時には数値的に高い血圧を下げた方がいいこともあり、漢方ではない血圧を下げる薬を使って様子をみることに。
プレッシャーや予定が多くがんばってしまった後、翌日や翌々日に疲れとしてやっと自覚したり寝込んでしまうこと、気持ちが焦ると動悸があること。
思えば産後は出かけるのに覚悟がいったため、外にでるとドキドキしていていたこと。
これまでの自分の在り方を自分の快適な方向、健康で過ごしていくために、食事や日常生活や習慣、口内衛生にだけ気をつけるだけではなく、気持ち、感情、そういった心理的・精神的なものを変える必要があると感じました。
それをしないと同じように体の不調を招いて繰り返す、と自分なりに考えがいきつきました。
なんとなく、試していったこと。
● 一人でいる時間、ポットキャストやstand.fmで人の声を聴く
・・・考え始めて頭がぐるぐるとなるのを避けたくて、仕事以外の家事の間聞き始めました。まずは健康について、食について、家事や生活全般について。
さまざまな人のお話を聞いてうなずいたり、思わず声に出して笑ってしまったり。私にとって自分の内へ内へ、身体のどこかをじっと観察しすぎるような、内向する思考を外に向けてくれるのにとてもあっています。
● アーユルヴェーダや漢方の考え方を生活に取り入れて実践する
・・・何を思い、どう生活するか、が大きな問題なので、具体的に何をどう変えたらいいのか、何をしない方がいいのか、とりこみやすい生活の指針が欲しいとおもいました。
正直何でもよくて、丁寧に暮らす、とか断捨離に燃えてみる、とかひたすら趣味の沼に潜ってみる、など。いわば自分がどこか夢中になれる、好きだなあ、と思える「生活の指針」がないか。
アーユルヴェーダや漢方はもともと関心のあることだったけど、本などを読むだけで実践することにピンときていなかったのが、ポットキャストやstand.fmで話を聞いたことで興味深く、そして救われました。日常生活での取り入れ方、物事の捉え方、そして紹介されるレターなどでたくさんの人にたくさんの悩みがあることを知り、発信される方のご自身の専門知識や経験をおしみなく発信されていることにありがたく思いました。同時に本を読んで知ることも体に入りやすくなった気がします。
なによりやってみることで「なるほど」な経験を少しづつ重ねながら、満足や自信につながることが楽しく感じます。
実践して数か月の結果、これからも続けてみたいなと思っています。
● ゆっくり動く
・・・アーユルヴェーダのある考えから、動作をゆっくりにすることを心がけてみました。「心がける」ようにしたら、自分の普段の動きが意味なくは速く、雑なことも見えてきました。洗濯機や炊飯器のふたの開け閉め、調理器具を置く時の音、スポンジで皿をこする強さなど。びっくりするほど、うるさく、強く、雑だった!
皿洗いなど、力を抜く、ゆっくり、やさしく、などと自分に言いながらやってみたところ、力んでいた時と時間は変わらず、洗い物やシンクは心なしかキラキラして見えるし、腕の張りも感じなくなって、立っている時に右足が力が入るくせも気づいて力を抜けるように。そして、ゆるゆる動いているので疲れをそれほど感じない。
落ち着いて動くと落ち着くんだ!と気づきました。
● 気持ちを家族に話す
・・・ポットキャストやstand.fmを聞くようになって、もう一つの気づき、というか驚きは、「みんな、すごいしゃべる」。
自分のことを話好きだし、自分の気持ちはちゃんと人に話していると思っていたけど、それほどではなかったのかも、と。
ここ数年は特に、自分のことで家族に心配かけたくない、自分も泣いたりしたくない、負けたくない、と思うばかり、もしかしたら自分の気持ちの動きもだいぶ黙らせていたことに気づきました。
思えば、ここ数年の手帳の記録は感情の記録もよく言えばシンプル。
不安、なんて話すのは、と思っていたけれども、夫にも今の状況を正直に伝えるようにしていきました。
娘には自分の心情というより、今日見たもの、聞いたこと、どうでもいいような話をもっとするようにしてみました。
ふと、特にここ数年、もしかしたら家族は私が何を考えて生きている人間なのかわかりにくかったのではないかとも思えてきました。
● 人の話を全部聞く
・・・これは手術後にも感じたこと。
あの時に感じたことを忘れかけてました。
術後、発語がしにくかったので、人の話を話し終わるまで聞いていました。
体調や要望、先生や看護師さんからの質問に答える際は、短い言葉で端的に書くことに注力しました。
その時に感じたことは、誰かの話を聞いていると「それは」、などと口をはさみたくなる瞬間がたくさんあるということ。
相手の話の途中で「それはこうです」「はい」「違います」と口をはさむ、自分のターンに持っていこうとする瞬間、そしてそれが出来ない。
口をはさみたい瞬間に書くことにすると、話してる相手を目の前に下を向くことになるのでしたくない。
もちろん、状況次第で「気分はどうですか?」と聞かれればにこりと笑顔で手で丸を作ったり、書く以外の伝達方法はあるわけですが。
口を開いて言葉を発することが難しかったことで気が付いたのは、
「私、人の話をかなりの頻度で自分の話でさえぎっていたのでは」
「人の話をちゃんと聞けていなかったのでは」
ということでした。
私に対して話してくれることを最後まで、うんうんと全部聞くこと。
忘れかけていたこのことをもう一度、心に留めて生活しようと思いました。
●よく休む、そして起きていないことで不安にならない
長年通うカイロの先生に不安、不安感について相談してみました。
大きく2つのことを話してくれました。
1つ、舌の手術をして動かしにくさがあることは、舌の神経の特性上、脳も疲れを感じやすい。日中の休憩、リラックスする時間、睡眠など、休むことを意識的に行うこと。
日中でもこんな時間に横になっていいかな、なんて思わないで、休みたかったら休んで、と。
2つ目は、今起こっていないことを考えて不安にならなくていいこと。
再発したら?また調子が悪くなったら?転移していたら?
それら今起きていないことで不安になる必要ないでしょう、ということ。
今のあなたは、手術を乗り越えて、舌の動かしにくさはあるけれども、以前よりも元気にうごいているよね、それだけでいいでしょうと。
不安になるのは仕方のないことだけど、必要ないよと。
そんな思考が浮かんだ時には、「はい、必要ない」と断ち切るようにしています。何度も断ち切りながら、今生きています。
とりとめなく、自分がいい方向に向かうためにやっていること、気づいたことをまとめました。
また時が来たら、手術のことなどの記録を再開するかもしれません。
それ以外のことも、書きたい時、書きたくなったらnoteにしようと思います。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?