企業内弁護士による株主優待の法的考察
株主優待制度の法的問題
世の中に広く浸透している株主優待制度ですが、公刊文献などでは、会社法の観点から株主平等原則や利益供与、配当規制の論点として多く取り上げられています。
たとえば、株主優待による乗車券の配布が違法配当にあたるとした判例として平成2年3月28日高知地方裁判所判決がありました。
ただ、この事案では、長年無配当が続いている鉄道会社で、持株数に対して一定の割合で比例して無料乗車券が配布されている株主優待制度でしたので、現物配当の色彩がより強いものだったと推測され