「一齣漫画宣言」相原コージ
名言・名台詞はたくさんあるけれど、この本は相原コージ流ではあるが、名言集といっても過言ではないと思う。
一つのページに一行コメント、隣のページに一コマ漫画、一コマといっても題にも意味が込められているので、題とコマのセットでひとつの内容だ。
この形式で、なんと”怖い””考えさせられる””笑える””エロい”などが表現されていて、すげぇなぁという感じ。
絵を言葉で表現するほどの力は無いので、一行コメントを何個か紹介する。
命の重さは人によって違う
ギャグ漫画に描いてある言葉だとは思えないでしょ?
この言葉について有識者で2・3時間議論が出来そうなくらいなテーマだ。
他にはこんなの。
ユーハ味覚糖の「ユーハ」ってなんだ?
笑えるでしょ?確かに!!って。
ほんとどういう意味なんだろう。
オナニーをしてしまった時点でもう絶対ピュアではいられない
なんかわかる。
生き物として、成長の過程としてしょうがないことなんだろうけど、汚れた気がしてしまう。
「オナニー」といえば、相原コージの作品にはよくオナニーが出てくる。
オナニーとか手淫とかって。
漫画とか映画とか小説の趣味が合う後輩がいて、彼が相原コージを評する時、こんなこと言ってた。
「この人はいつまでオナニーのこと言うんですかね笑」と。
たしかに!!と笑っていたけど、本作の解説を見てハッとした。
エヴァンゲリオンの監督、庵野秀明が解説を書いているのだが、庵野が作中の、タイトル:後悔、内容:ベッドに寝ている相原が「今日のオナニーはしなくてよかったな」とつぶやく作品をとりあげていた。
オナニーは「表現」「創作」と同じだと。
相原が作中のオナニーを自身の創作、漫画家として生きている以上、生きることそのものである活動、その比喩として使っている(意識しなくても無意識で)というのは定かではないが、もしそうなら一生オナニーのこと書いてくんだなぁと思った。
漫画では、ツッコミ組長が好き。
テレビからながれてくる「ジャカジャン♪生きていることの意味さえわからずー♪」って歌詞に、「さえ、ってなんや?さえって」ってつっこむの。
確かに!!生きていることの意味を知るために生きているのにね。