「新世界より」貴志祐介
「新世界より」を読み終わった。
貴志祐介という作家自体は前から知っていて、「黒い家」「天使の囀り」などを読んでホラー作家というイメージ。
で、「青い炎」を読んで、青春ミステリーものもすごいんだと感動した。
そんな作家がSFも書いていたと知ってびっくり。
しかもけっこう評価されている。すごいなぁ。
きっかけはTikTokでたまたま本作を原作としたアニメの紹介動画を見たから。
コメント欄を見るとぜひ小説の方を読んだ方が良い!!と書いてあり、調べてみたらなんと貴志祐介、これは読まねばならんと思いつつ、積読を消化していた日々でした。
ある時、近所で古本まつりが開かれた時、上中下3巻セットが500円で売っていて、「やった!!」と購入、一気呵成に読み終えた。
40を過ぎてから、新しい面白そうな小説にタイムリーに出会えなくなっている気がする。
いつもちょっと遅れてアンテナにひっかかる。。
なかなかアンテナを常にはっておくというのは難しいんだなーと思う今日この頃だ。
高校生が流行の最先端っていうのも、高校生のバイタリティがあってのことなんだなと。。しみじみ
おっさんのつぶやきはおいといて、作品の話をしよう。
本作はよくあるっちゃある設定。
まず未来の世界が描かれる、どこか我々の住む世界と陸続きな感じはするのだが、ねじまがってしまっている。
で、物語が進むとなぜその世界が構築されたのかが、主人公達の冒険の結果見えてくる。
そして、過去からの遺恨が世界を滅ぼそうとし、それを阻止する為に奔走するというストーリー。
数あるSFで描かれてきた題材だ。
このテンプレート自体が面白いのに、さらに貴志祐介の発想がこの世界を目を離せないものにしている。
主人公達の世界は、今の日本の千年後。
文明は退化していて、どこか牧歌的な風景の世界。
文明は退化しているが人々の生活は不便ということは無い、なぜなら彼らは「呪力」と呼ばれる超能力を使えるし、バケネズミという亜人種を活用しているから。
どこか昔の日本に似た世界の中にある、特殊な生態系と「呪力」という謎の力、体制にひた隠しにされているなんらかの真実、どこか不穏な世界の中で描かれる日常とその破綻。
これが非常に面白い。
言いたいけど言えない、ネタバレ!!ダメぜったい。
読み終わった人と語りあいたいなぁ。
ちなみに、このテンプレートよくあると言ったけど、パッと浮かばないな。
亜人種、変容した世界ということで、まず浮かんだのが「猿の惑星」でした。
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