「大阪豆ゴハン」サラ・イイネス
ある日大阪に出張した。
自分が専門としている業務を、別部署から引き継ぐ為だったのだ。
自分はその業務に対して真摯に向き合っており、常に真剣に対応していた。
どうしても深刻な顔をして仕事をしてた。
大阪の別部署のメンバーと接していて衝撃を受けた。
「なんかクレーム言うてはるけど、そんなんしゃーないなぁ」
「もうええちゅうてるで~」
「ほならもうええんちゃう~気にせんとこ~」
そんなライトなやり取りだった。
弩級の衝撃だった。
自分が深刻な顔をして対応していた業務を、ラテンのノリで笑顔で実施していたのだ。
そして早い!!
まじめな東京のメンバーとは違って、軽口叩きながら対応している彼らの生産性が半端ない。
もう何度も言うが衝撃だったのだ。
そんな大阪風味にどっぷりつかれるのが本作「大阪豆ゴハン」だ。
漫画の紹介。
完結しており、全12巻。
大阪の中心地にある古い家、三姉妹と弟、長女の旦那と猫一匹が住んでいる。
彼らの友人や同僚、よく会うおっさんなど、まわりの人達が繰り広げる大阪な日常が描かれるコメディ漫画だ。
これを読んでしばらくはイントネーションは別として、大阪弁になってしまうのだ。
そもそも大阪弁、関西弁?ってすごい影響力だよね。
テレビでも他の方言は出てこないのに大阪弁だけは堂々と使われている。
だから小さな子供でも「なんでやねん!!」とツッコミを入れることが出来るのだ。
話を戻すが大阪の文化、大阪人たちの様子が本当に面白い。
関西出身の女の子がいると「ほんとに?ほんとに?」と確認しちゃう。
例えばこんなのが関東出身の自分には面白かった。
・おじさんたちは新幹線を”汽車”と呼ぶ
・ゆでたまごは”玉子の煮抜き”
・擬音・擬態語が多い「チュチューとやってガタガタってすればええ」
・”よう知らんけど”の使い方
・信号は変わる10秒前に渡り始める
などなど。
海外に行ってぼったくられるどころか、値引きしてくるのが大阪人だ、というエピソードを聞いたことあるが、本当なんだなとこれを読んで思った笑。
そんな日常の中でも緩やかに時は流れていて、少しずつ人間関係に変化があったり、ちょっとした恋が芽生えそうだったり。
若干終了が決まってから、時が動き出した感はあるが、さわやかな読後感を与えてくれた作品だった。
作者のサラ・イイネスはサラ・イネスと改名して、こういった日常系の漫画を今でも描いている。
どれも面白いのだが、家族がフューチャーされている本作が一番好きだ。
どこかあったかいんだよね。
絶対読んだ方がいい!!損はしない!!最高の作品の1つになるはず!!
よう知らんけどね~