いただいた意見をもとにゲームデザインを練り直す【若手プランナーのインディーゲーム制作 in 1月】
皆様どうも!都内のゲーム会社でプランナーとして働いている オタケサンと申します。
このnoteでは、制作中のゲーム「魔界堕ちのラズリエル」について発信していきます。
どんなゲームをつくっているのか、何を意図してつくったのかを発信することで、制作を通じて得ることができたゲームデザインの知見を共有できればと思います。
ついでに私のゲームに少しでも興味をもってもらえたらなと思います。
■ 作ったものを実際にプレイしてもらおう!
作ったゲームを実際に遊んでもらっているところを目の前で見る機会はなかなか貴重で、ゲームのブラッシュアップのきっかけになったりします。
1月半ばに開催された東京ゲームダンジョン2での展示は、ゲームを練り直すきっかけになりました。
当日は、これまでの『魔界堕ちのラズリエル』の試遊版をベースに、チュートリアルやストーリーを追加したものを展示しました。
操作方法などに対するご意見は少なく、遊びの核となるゲームデザインに対するご意見を多くいただくことができました。
(余談ですが、今回はゲームメカニクスの知見が深そうな方がブースに多くいらっしゃった印象です)
いただいたご意見の中には「確かに…」と思うものもあったため、それらを受けゲームデザインを練り直すことにしました。
■ 課題は何だろう?
いただいたご意見の一部を抜粋すると、以下の内容が目立ちました。
このようなプレイ感になってしまう理由を検討したのですが、現状のルールだと「選択の最適解がわかりやすい」ことが問題なのかと感じました。
『魔界堕ちのラズリエル』は悪魔カードを使うかどうかにジレンマを感じるというゲームを目指しています。
が、現状天使カードがそこそこ強いせいもあって、悪魔カードが「ただ使いたくない」ものになってしまっていました。
それ故、
という、プレイの最適解ができてしまっており悪魔カードを使うか悩む場面があまり発生しませんでした。
また、その最適解を崩すパターンが「初期手札に天使カードをあまり引けなかった」や「初期配置の時点で敵が近い」という運による要素しかなく面白さに繋がっていませんでした。
プレイヤーはただ最適解を選んでいるのに、突然ゲーム側から不利な状況を提示される…、あまり面白くないことが想像できると思います。
願わくば、プレイヤーがカードの選択に悩み、選んだ行動によって状況が変わっていく…
そんな感じのゲームデザインに修正したいと思いました。
■ 取捨選択の要素と、その選択による影響をつくる
というわけで、方針として
というプレイ感を目指します。
まずは天使カードの威力を全体的に下げました。
これによって、上手く敵を倒すにはどこかのタイミングで悪魔カードを使うことになる…程度のバランスになりました。
次に、「戦闘開始時、3枚の悪魔カードから1枚選び手札に加える」というルールを追加しました。
プレイヤーは天秤のゲージを加味しつつ、場の状況を上手く切り抜けられそうなカードを選択することになります。
そして最後に、ここがミソなのですが「悪魔カードは使い切りとし、使わない場合デッキに残る」というルールを追加しました。
これによって、悪魔カードを使って場を切り抜けるのか?あるいは使わずに取っておくのか?という選択肢が生まれました。
■ いざテストプレイ!
これらのルールのもとプレイしてみたところ、状況に応じて悪魔カードを使うか悩むという、狙っていたプレイ感になりました。
天秤のゲージ状況に余裕があればさっさと手札から使っても良いですし、使わずにデッキに残しておいて後のピンチに備えるのも良い。
手札に天使カードしかない状態でピンチに陥ったので山札から悪魔カードを引きたい…、けれども前の戦闘で使ってしまったのでデッキにはあまり残っていない…
という、これまでになかった状況が生まれたりもしました。
また、悪魔カードをデッキに残す選択をするということは、手札に悪魔カードばかりを引く確率が上がるというリスクを抱えることでもあります。
が、そのリスクを特定のフロアではリターンに変えることができます。
トルーシーとのやり取りの中でデッキの悪魔カードを威力そのままに無害なカードに変化させることができるので、上手くデッキに悪魔カードを残すことが強力なカードの獲得につながるようになりました。
ここまで読んでくださり、ありがとうございます!
noteを読んだご感想やゲームへのご意見など、気軽にコメントください!
制作や発信の参考にさせていただきます。
↑ 気になった方はストアも覗いてみてくださいね!
今後ともオタケサンをよろしくお願いいたします。
それでは。