12時間60Km歩こうとした話
ベトナム縦断したり南米に1年間居住したりして、今はタイのお寺で修業中のひろみです。
バンコクに一時帰宅2日目。
note投稿の習慣が未だに続いていることに驚いている。
今までの僕であれば、たとえしばらくの間何かを続けられていても、環境が変わるとそれが急に途切れたりしていた。
今までと今回で何が違うのか、思い当たることとすれば無理なく続けるようにしているということくらいか。
これまで何かを習慣化しようとした時、「よし習慣化するぞ!」と初日は気合を入れ、そしてそのエネルギーが日を追うごとに低下し、ある日0になるという流れだ。
気合いを入れるのは悪くないのだが、僕の場合それが強制感となってしまうので、なかなか意欲的になれない。
だが、今回は何となく初めて何となく続いており、2週間やってきたから続ておくか、くらいのテンションだ。
note投稿はこのくらいのテンションの方が適していたようだ。
瞑想も毎日続いており、それもnoteと同じような理由だ。
「継続の理由は継続しようとしないこと」というパラドックスのようなまとめになってしまうが、これ意外とうまくいくと思う。
12時間60Km歩こうとした話
2週間前、お寺に行く前の日。
僕はとてもワクワクしていた。
お寺という非日常の空間で生活できるだけでなく、前からやりたかった瞑想をついに本格的に学べるからだ。
テンションが上がっているときは馬鹿な決断をしてしまうもので、空港からお寺まで歩くことに決めた。
事前にチェックしたところ、空港からお寺までは60km、徒歩で12時間の距離だった。
今考えたら12時間歩くなんてとんでもないのだが、なぜかこの時は行けると思ってしまった。
なぜ歩こうかと思ったかには理由がある。
それは僕の3つのやりたいことに関係している。
1つ目は、今やっているお寺での瞑想修行。
2つ目は、飛行機の免許を取ること。
そして3つ目は、サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路を歩くこと。
サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路とは、フランスのピレネー山脈からスペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラまでの800Kmを巡礼者たちが歩く道の事だ。
いつかここを歩き切ると決めていたので、その前の肩慣らしとして60Kmくらい歩いておくか、というのが僕のその時の考えだと思う。
3つの誤算
だがこの時、後で思い知ることになる誤算が3つあった。
人の平均歩行速度は時速4Kmである
タイの日中は熱い
坊主にしていた
1つずつ説明していこう。
1. 人の平均歩行速度は時速4Kmである
後になって気づいたのだが、Google先生は到着予想時間を時速5Kmで計算している。
その数字をもとに12時間で着く、と考えていたが、普通の人間はそんなに早く歩き続けることはできないらしい。
調べてみたところ、人の平均歩行速度は時速4Kmであるという意見が大多数を占めていた。
仮に時速4Kmで計算をすると、15時間かかることになりかなり厳しい。
それまで全く運動せずごろごろしていた人が1日の半分以上も歩き続けられるわけがないのである。
2. タイの日中は熱い
仮に15時間歩き続けられる体力があったとして、まだ壁があった。
タイの日中はあり得ないくらい暑いということだ。
日中は40度近くまで上がることもあり、直射日光に当たっていることを考えると体感温度はさらに上がるだろう。
空港を出た時このことをすっかり忘れていて、水を持っていなかった。
数10分歩いただけで、砂漠をさまよう旅人のような気分になり、オアシスを見つけたような勢いでスーパーに駆け込み水を買った。
何度、倒れそうになったことか、、
自分の過去の決断をこれほど呪ったのはこの日が初めてだ。
3. 坊主にしていた
出発する前日、仏教に誠意を示そうと丸刈りにしていた。
坊主にしたことがある人ならわかってくれると思うが、頭皮はけっこうセンシティブだ。
普段大量の髪の毛に守られているから柔な防御力でもどうにか生き延びているが、髪の毛がなくなった頭皮は、虎のいなくなった狐と同じだ。
防御力が0の上に太陽からの攻撃を受けていたため、数日後僕の頭皮は蛇のように丸ごと脱皮した。
あのムキムキのドウェイン・ジョンソンですら、毎日ベイビークリームを塗って大事にケアしているくらいなので、僕の場合はひとたまりもなかった。
結果、以上の誤算が重なり、4時間で20Km気合で歩き、藁にもすがるような思いでカフェに駆け込んで助けを求めた。
店員さんが天使のように優しい人ですぐに乗り合いワゴンを呼んでくれ、それに乗ってお寺まで行った。
とりあえず無事に到着できてよかった、、。
もしこの中で60Km歩こうとしている人がいるのであれば、本気で考え直すことをお勧めする。
60Kmって結構長い距離よ。
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