見出し画像

”極私的”読書ジョッキー~ZINEの巻

ZINEを読みつぐ~読書旅

DJがいるならBJもいる

DJって言葉がありますね。ディスクジョッキー🎧

本も1冊から始まってそこから連鎖連鎖で
どんどん読み継いでいくっていうのは読書する人なら
珍しくない経験だと思う。
それはきっとBOOKをジョッキーjockeyしているってことで
BJ(ブックジョッキー)って言えるかもしれない。

ところで、ZINEジンってありますね?
個人または有志が、非営利で発行する自主的な少部数の出版物のこと。
本より更に小さいメディア。
そのZINEのジョッキー体験について書こうと思う。

『やまやのはしぶくろ』のこと

フリーペーパー『やまやのはしぶくろ』17号・18号

名古屋を旅した時に手にしたフリーペーパー『やまやのはしぶくろ』。
とっても面白かったけど、ネットで調べても詳細は謎のままでした。
分からないとなると尚更気になる…
しかし!”やまや”の書き手であるヤマモトさんを取材したZINE(紙)が存在することをつきとめてしまいました!!
それが今回紹介するZINEの作者”たえさん”です。

『京都ワッチャー取材記』のこと

『京都ワッチャー取材記』
初版:2018年9月8日発行

奇跡的に作者のたえさんから譲って頂いたこちらのZINEは6年前初版でしばらく絶版状態がつづいていたそう。

ときどき鯛焼屋(その名も”たえ焼き”)のたえさん自身は、今は『鯛焼ペーパー』を定期的に発行して店頭で配布しています(☟記事参照)。
あ~んど『やまやのはしぶくろ』も一緒に配ってる!ってわけです。

それで、このたび『たえやき』を初訪問し
『やまやのはしぶくろ』の感想シェアして”プチ読書会”みたいなことを繰り広げてしまいました。
その流れで、たえさんが以前編集したという件のZINE『京都ワッチャー取材記』に話が及んだところで、今は手元に在庫がない!ということが発覚!
残念…😢とおもったら
それを再製本して郵便で届けてくれるというではありませんか!!

紙よ!郵便よ!📮💌📝
これは令和の奇跡か!!(感激)

作者インタビューを読める幸せ!

目次。届いたソレ📖は、
想像を超えた50ページ超の大著でした。

『やまやのはしぶくろ』の前身である『京都ワッチャー』を読んだ たえさんの「どんな人がどんなふうにして書いているのか知りたい」という純粋な初期衝動からはじまっています。
そこから取材を申し込み、単独埼玉から兵庫加古川市(作者ヤマモトさん在住)に乗り込んだ一部始終が書かれています。
ヤマモトさんへの取材を通じて感じるたえさん自身の迷いや思い、そんなことがないまぜになって結実した一冊です。

1枚のフリーペーパー『京都ワッチャー』がもともと持っていたエネルギーがたえさんを動かした。そのことに驚くし感激する。
けれど、続く系譜この『京都ワッチャー取材記』に通底する真摯で手抜きがなくて正直な書きっぷり、惜しみないサービス精神にまた感激します。

手書きイラスト エトセトラ

切取りが下手でごめんなさい!
いくつか切り抜いて1枚にまとめました。

文中に手書きのイラストがちょいちょい出てくるのは本家?『京都ワッチャー』と同じで効いてます!
それで…デスクライト下でイラスト面がテラッと光っているのが気になって、思わず↑写真左上の車のバックミラー部分(〇部分)を手元の消しゴムで消してみたのです…
すると消えた…!

!!!手塗り?1冊1冊限定edition?

最初読んだときはよもや「手塗り」と思いませんでした(カラーコピーかな?と)
本当に丁寧に塗ってあるんですよ。
質感を再現するような濃淡とかー。

ジーンズのしわ部分を
なぞってあったりね。

”読み”に奥行きが出て、立体的になる

映画の原作本を読むと、作品鑑賞に奥行きが出て楽しいと思うことがあります。
それと同じように作者ヤマモトさんの取材記を読めるとは…!
これまた、私にとってはこの上ない楽しさです。

なんならば、この『京都ワッチャー取材記』は、
私にあわせて1冊限定でカスタマイズされたZINEなのではないか?
と錯覚しそうなほどに。
つまり「オーダーメイド」と見まごうほど?私のニーズに合致してました。

「書かれたもの(二次元)」が面白いのなら
それを書いている人の「日常・生活・態度(三次元)」ということが気にかかるので…

そして、素人の読み手の私にも分かる位、
全体の構成が練られてて、スッキリした文章なのでグイグイ読めるのです。
ともすればベタっとした個人の感想になる危険性もある。
なのに単独の読み物として成立しているところにも、「なんちゃって!」なんかじゃないヤマモトさんへの敬意を感じます。
でないとこんな風に書きまとめられないとおもう。

20年をつなぐ「書く」の連なり

更に特筆すべきは、ここに至るまで20年の「書く」歴史が連綿と続いている、ということです。

”14年間・全100号にもわたり(ヤマモトさんが)発行し続けてきた”『京都ワッチャー』の先にたえさんの『取材記』が生まれ、それから6年後の現在ヤマモトさんは『やまやのはしぶくろ』というカタチで「書くこと」を続けている。
かつ6年前は取材する側だった たえさんも今は、発行人として定期的に「書くこと」を繋げている。

フリーペーパーという吹けば飛ぶような風化必至な存在に風化しない時間軸が通った。
それって歴史?
そんな大仰なことを誰も語ったり望んだりしていないかもだけれど
私が感動したのは、やっぱり「紡がれ続けたこと事実」なのかもしれない(前回日記のふたたび)。

そしてそれを読み継いでレビューを書いている私

こんな風にレビュー📝を書くか迷ったけれど(中途半端な筆力)、
この循環🌀🌀をせき止めてしまうのはもったいない!

ゼヒ!
📢『やまやのはしぶくろ』&『京都ワッチャー取材記』(最強の副読本)続くたえさんの現フリーペーパー『鯛焼ペーパー』をジョッキーしてみないかい🏇??
っていうことを端っこからアップアップしながらでも🐟言いたくて
下手クソ承知で書きました!

『たえやき』出店場所で見本品(原本)が試し読みできるようですよ!
ゼヒ!
以下インスタグラムたえさんアカウント(@tea_eat_tea)よりご本人の
紹介文を引用して終わりとします。

2018年に発行したものが手元にもうなかったので2024年5月に少しだけ手直しをして、6年前と同じようにコピー機を使って刷り足しました。刷り上がった紙を一枚一枚はんぶんに折って折り目のところをパチンパチンと二箇所ホチキスで綴じた無骨な本です。
📙
わたしの好きなフリーペーパー『やまやのはしぶくろ』の前身である『京都ワッチャー 瓦版』。14年間、全100号にわたり発行し続けてきた加古川市在住のヤマモトケイスケさんと当時は校正を担い現在は連載も担当されるヤマモトチカコさんに、直接お話をうかがうため加古川へおしかけたときの話。連れて行ってもらったお店のことや話してもらったこと、出会った人、同時に渦巻いていた自分のきもち、など。
📗
「見知らぬ夜の街を赤い車はびゅんびゅん走り抜けていく。後部座席の窓から外をじっと見ながら、『兵庫県を今まさに走っているんだなあ、ヤマモトさんとちい子さんに会えたんだなあ』と一人しみじみ現実をかみしめていた。」
(本文より)
鯛焼出店場所に見本品(原本)を持っていくので試し読みご自由にどうぞ。🫱📗

インスタグラム@tea_eat_teaより引用



この記事が参加している募集

表:書いたもので「恥ずかしさの先頭に立つ!」 裏:読んだあとに「なんとはなしにおしゃべりしたりお散歩したくなるような…」そんな”かの地”まで帆走おねがいします。