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“白い”ねこのーと

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喧嘩と論理の深淵。その冒険記。
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2019年3月の記事一覧

page.19 抽象化/一般化

抽象化と一般化については,文脈によってニュアンスを察することが難しくないため,本書でも特に区別していない。

しかし,次のような区別を考えると,この言葉たちが実践されてきたコンテクストによく整合するように思われる。すなわち,あるトークン a に言及する命題 A に対して,それぞれ

一般化:∀xA[a,x]
抽象化:∃xA[a,x]

といった定義をすることによる区別である。

(本項では,論理式

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page.18 信念の主体

本書 p.15 では,信念について次のように記した。

信念は,次のように,専らプラグマティックに定義される。すなわち,それが内的に,形而下に作用するような主体たるアバターの諸言動である。つまり,観測ないし知覚可能であるような言動を伴わないものは信念としてナンセンスであり───むしろ,そんなものは信念として認められなくてよろしい───伴うものが,信念として有意味であり,それら観測ないし知覚可能

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page.17 論理の限界

『絶対はない』という考えは,素朴には真理に映るかもしれない。

しかし,私は,このような考えは誤りだと考えている。本項ではこの理由を説明する。

そのためには,まず,われわれの信念というものの本質を見つめなおさねばならない。そして,理由や根拠の繋がりには,いずれ担保を失う一群の命題(私は,これを公理系と呼んだこともあった。)が存在するという理屈も,思い出さねばならない。

われわれの信念体系

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