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『古今和歌集』でAIアート㉚〜良岑宗貞〜
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訳:天の風よ、雲の通り道を吹き閉ざしておくれ。天女のような乙女たちの美しい姿を、今しばらく地上にとどめておきたいから(引用:『100分de名著 古今和歌集』渡部泰明著 NHK出版)
この歌の詞書には「五節の舞姫を見てよめる」とありますので、ちょっと乙女の数が多めな気がしますがその辺はご愛嬌ということで。
この和歌絵のテキストにしている『100分de名著 古今和歌集』の、恋のパートが終わり、雑歌(筆者の解釈では、「人々が社会生活を送る中で体験した喜怒哀楽の全てがある」)のパートが始まりました。
「そこで」というわけでもないのですが、久しぶりに歌が詠まれた時代の雰囲気が出た絵にしてみました(流石のAIさんも、まだ「十二単」を絵で表す学習までには及んでいないようなので、舞姫たちのお召し物に若干の「時代ズレ感」がありますが)。
とは言え、詠み手である良岑宗貞が懇願したようには、「天つ風」が吹いてくれていないように見えますね。私は個人的に、そこがこの絵のお気に入りです。
宗貞は、「雲の通り道を吹き閉ざし、舞姫たちが天女さながらに天空に帰ってしまわないようにしてほしい」と詠ったはずなのに、舞台に吹き込んでくる風の形は、彼の思惑とは全く逆に、舞姫たちを天空へと攫って行ってしまおうとしているかのように、ぐるぐるとうねっています。
風を吹かせる風神をも魅了してしまう、舞姫たち。
さらに眺めていくと、彼女たちが醸し出す美には、ある種の「凄み」のようなものまで感じられてきます。
中央の姫の右手に、窓から吹き込む風が降りてきているように見えますね。この様子を見ていると私には、舞姫の方が風神を手玉に取っているように思えてくるんです。
勇猛で大柄な男性を、華奢でありながら見事にあしらって、魅了してしまえる女性って、カッコいいですよね。男性は自分が最も得意としている武器(=力)を使う気にもならないほど、圧倒的な存在感。私にとっては、これが美の凄みです。
だとすると、忠岑が心配せずとも彼女たちが天空に去ってしまうことはなく、「少しでも長く観ていたい」という彼の本音も無事、叶っていくことになりそうです。
今日の「レシピ」は、こちら。
日本、宮廷、5人の高貴な姫、十二単、舞い踊る、風神、空で風を巻き起こす、幕がはためく、姫君の着物の裾も暴れる、貴族の男性、苦笑いを浮かべる
Japan, Imperial Court, 5 noble princesses, twelve-layered ceremonial kimono, dancing, Wind God, creating wind in the sky, curtains fluttering, the hem of the princess's kimono also fluttering, a nobleman with a wry smile