本当は教えたくない、アイデアマンに最短経路でなるための書籍
さいきん、会社でこんなコラムを書きました。どうすれば良いアイデアが生み出せるか?というテーマで全4回で書いていきます。特に自分が非アイデアマンだった頃を振り返りながら書いています。
ただ、夜な夜なこの原稿を書く中で、「理屈はわかったわよ、でもそんな毎回ワークショップなんて参加してられないわよ」「独学でやるにはどうしたらええねん」という僕の心の中のおっちゃんおばちゃんがツッコミをいれてきました。
アイデア考えるのが苦手だったとき、いいアイデアをさくっと出せるようになりてぇなと思い、いろんな本を読み漁った時期がありました。その経験を踏まえ、本当におすすめだよ!と思う書籍を紹介したいと思います。
ただ、どれも人に教えたくないものばかりなので、公開したはいいけど、やっぱやーめた!と下書きに戻しちゃうかもです。
アイデアマンの特徴
アイデアマンに最短経路でなるために、まずアイデアマンの特徴について整理します。僕の観察範囲ですが、以下のような特徴が見受けられます。
1/ アイデアの思いつき方がわかっている
2/ ものごとの捉え方,視点が多くの人と異なる
3/ 周囲の世界によく目を向けている(多くのインプットを得ている)
4/ アイデアを出すことを恐れていない(勇気をもっている)
他にもいくつか要素はありますが、代表的なのは上記のような点です。
逆に言うと、1~4を鍛えれば、アイデアを生み出すことは割と容易になります。ただ、4については1~3を鍛えれば自ずと磨かれるか、もしくは個々人の性格やチーム論に関わる話になるので、スキップします。なので1~3のちからをつける本をリストアップしています。
ということで、前口上はこれくらいにして、それぞれの力を鍛えれる本を早速リストアップしますね。
▼本リスト
アイデアのつくり方
図説 アイデア入門
発想の技術
ウミガメのスープ
アイデアのヒント
アナロジー思考
アイデアのつくり方
▼おすすめポイントどうすればアイデアが思いつくのか、そのプロセスについて理解できる
なんだ、みんなが薦めてる本じゃん、最短とか言って結局それかよ。と思う人もいるかもしれません。しかし、まずこの本を読まないことには話がはじまりませんというくらいの本です。どうすればアイデアが生まれるのかについて、まずこの本を読んで理解してください。わからなければ、何回も読み直してください。それでもわからなかったら聞いてください。
アイデアマンになるために、どんな力を鍛えるべきなのか、この後に紹介する本がどういう力を鍛えるための本なのかを理解しましょう。
図説 アイデア入門
▼おすすめポイントアイデアを思いつくための「情報同士をくっつける力」を体系立って理解できる
著者は外資系広告代理店にてコピーライターとして長く働いていた。外資系広告代理店は、日本の広告代理店と比べると知識や手法の体系化を重んじる傾向にあるそう。著者がコピーライター時代に積み重ねた「いいアイデアを生み出す方法」というのが書かれている。正確に言うと「いいアイデアを生み出すための、情報同士のくっつけ方」。
アナロジーやメタファー、パロディ、反復や増減といった情報同士をくっつける多くのテクニックが書かれている。これらをレトリック困ったときに実践するのにも役立つし、今すぐでなくても日常のものの捉え方を変えることができる。
ジェームズ・ヤングが「アイデアのつくり方」で書いた「情報をくっつける才能こそがアイデアを生み出す才能である」なることを書いていましたが、その才能というのを後追いで学ぶことができる。
発想の技術
そしてこれが一番すすめたくない本、良書すぎて。最近どこの本屋でも見かけない。amazonでは新品が8900円からという状態。この本を発想法だとかアイデアの本というレベルで語るのはちょっと違う。「考えるとはどういうことか」というテーマについて、頭の深い深いところに連れて行ってくれる。
アイデアを考えるというテーマを超えて、問題を解決するにはどうすればよいか、というテーマについて教えてくれる。4つの章に分かれていて、把握の技術、発想の技術、転換の技術、具体化の技術と4つに分かれている。特に把握の技術については圧巻。私たちは問題を解決しようとするとき、すぐにアイデアを考えようとしてしまう。でも、そこで立ち止まって「そもそもなぜそれが問題なのか?」について考える重要性を著者は説いている。
企画を立てることが苦手、問題解決のアイデアが浮かばない、そんな人は土曜にこの本を買って、土日かけて丁寧に読み込もう。そうすればもうアイデアを考えることが楽しみになっているはず。
ウミガメのスープ
アイデアを思いつくかどうかにおいて、重要なのは「その問題をどう捉えるか?」という点にあると思う。作家の森博嗣さんは著書でこんなことを言っている。
その問題を作ったのは誰なのか、
その問題を自分たちに提示している仕組みは何か、
という客観を持つことが重要なのであって、そこに一段高い視点が存在する。
つまり、問題を解くまえに、
その問題は何故生まれたのか、
それを解くことの意味はなんなのか、
問題自体が間違っている可能性はないのか、
という問いかけが大切なのだ。
問題を解く前に、その問題の前提について考える。なぜその問題が生まれたのか、その条件は絶対なのか?変えられないのか?そうしたラテラルシンキングについて学ぶことで、与えられた問題からクイックにアイデアを考える力がつく。
この本はお題に潜む前提をあばく体験や、解き方の自由さについて教えてくれる。
アイデアのヒント
こちらは結構有名な本。上記の4冊は比較的、原理的というか発想の根本にまつわる本だとすると、このアイデアのヒントは比較的実用的なtipsが盛り込まれた本。ある程度自分の型ができてきた人がこの本を読むと、役に立つことが多いのではないかと思う。
アナロジー思考
そして最後の大本命。最も原理的でありアイデアを出すという行為の本質をついた本なのではないかと思う。帯でも書かれているが、言ってしまうと優れたアイデアを生み出す根本にはこの「類推(アナロジー)」がある。
本棚ではよくロジカルシンキングだとか、コンサルの棚に置かれているけれど、これはアイデア発想の本です。
いわゆるクリエイティブなアイデアは「距離がある」と言われます。要は、アイデアを考えたいテーマと、思いついたアイデアが一見、全然結びつかない、全く別の領域から出てきたとき、その二者の間に「距離がある」と言う。すなわち「距離があるアイデア」というのは、全く別のカテゴリからもってこられたために意外性がありながら、それでいてちゃんとつながっているアイデアのことである。
その距離を出すために必要なのが、このアナロジーという思考プロセスになる。例えばあるりんごブランドのプロモーションについてアイデアを考えるとしたら、りんごという対象をどんどん捨象していき、軸を取り出していく。果物、糖度、密度、赤、色素、etc.、例えばその色素を取り出してみて、アイデアを考えてみる。りんごの色素を使ってそめたTシャツを作るみたいなアイデアが仮に浮かぶ。(このアイデアは10秒で考えたものなのでクオリティは許してくれ)
例えばこのアイデアはりんごを色素に抽象化し、そこから色素という単語から関連する単語を探索して、服を発見し、それをつなげて生み出したアイデアである。基本的にはこの思考プロセスで多くのアイデア発想はまかなわれているのではないかと思っている。
裏を返せば、この思考プロセスはアイデア発想の基本形みたいなものである。ここに先に紹介したレトリックの考え方を組み合わせてみるとさらに効果的である。と、このまま書きすぎるとnote一本分の原稿になりそうなのでやめておきます。
まとめ
以上が、これまでアイデアにまつわる本をたくさん読んできた中でも、特におすすめしたい本です。上記の本を読んだ上でそれを実践していけば、脳の中に「アイデアを思いつく」回路が形成されます。一度形成されてさえしまえば、後はそれに従って考えつづけるだけ。
気づけば、アイデアを考えることなんて苦じゃない状態になっているはず。それでも全然上手く行かなかったら、相談してください。DM開放してるので、何かあればこちらまで。
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