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フランス・リヨンの食べ物語り(お菓子編②)

食事編に続いてフランス・リヨンのお菓子編の後編です。
食事編やお菓子編・前編を読まないと楽しめない記事ではないので、気になるものからご覧ください!

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リヨンは素敵なお菓子屋さんがいっぱい!

行ったお店、買った物を欲望のままに書いていたら1万字を超えてしまったので分けることにした「リヨンの食べ物語り・お菓子編」。
まだまだ続きます…!



リヨンの郷土菓子「クッサン・ド・リヨン(Coussin de Lyon)」

 こちらもプラリネのブリオッシュに続いて、リヨンの名物的なお菓子です。
「Voisin(ヴォワザン)」というお店が発祥のお菓子なのですが、「クッサン」とは日本で言う「クッション」のこと。

 17世紀頃にリヨンでも流行したペストから逃れるため、マリア様の像に蝋燭と金貨を1枚載せた絹のクッションを捧げ祈ったところ、数日後ペストの流行がおさまったというリヨンに伝わる伝説をもとに、20世紀後半になってから作られたそうです。

青のキュラソーで色付けされたのが、元祖クッサン・ド・リヨン(らしい)
ほかの色は、そうめんに数本入ってる色がついてるやつ、みたいなことなのだろうか…?
(運搬で下の方が砕けてしまった…;)

 お菓子そのものは小麦粉を使っていないお菓子で、コンフィズリー(砂糖菓子)と呼ばれるもの。お砂糖とアーモンドプードルを強く感じるお菓子でかじるとふわっと杏仁豆腐のようなアーモンドの香りが鼻を抜けます。そして真ん中にはチョコレートの香りがするガナッシュが。
食感としては、柔らかい落雁らくがんという感じですかね? マジパンとかが好きな人も好きそうなお味です。
私にとってはかなーーーーーーり甘かったです。(笑)

フランスには各地に有名な砂糖菓子があるようですが、こちらもその一つという感じなのですかね?
正直なところ、今回の旅で唯一少し持て余し気味のお菓子です。(これを買ったお店は、これ以上少ない個数を売ってくれなくて…)
お菓子づくりで砂糖とアーモンドプードルのかわりに練り込むとか、パンの上に載せて甘いパン風にしてみるとか……と考えていますが、そのまま以外の美味しい食べ方や何か別の料理に転用する方法をご存知の方は、ぜひ教えてください…!(笑)


ヴォワザンのボンボンショコラ

こちらは先ほどの「クッサン・ド・リヨン」を買った「ヴォワザン」のボンボンショコラ。

右には「ウチのトップショコラティエがいいカカオを使って美味しいチョコレートを作りましたぜ!」みたいなことが書いてあります

 コンフィズリーが有名なお店ですし、こちらも甘いのではないかと恐る恐る食べたのですが、こっちは意外と甘くない!(笑)
中がマジパン(砂糖とアーモンドプードルを練ったもの)のものもあったのですが、外のチョコレートが全体的にダークチョコレートだったので、甘みと苦味のバランスがとてもいい感で美味しかったです。

 左上のチョコの上に緑に色付けされたゴマがのっていて、中はアーモンドプードル強めのマジパンみたい感じでした。
 調べてみたところ、フランスでは初夏~夏に「生アーモンド」として青いアンズのような実に包まれた状態で売られるらしいのですが、それと何か関係しているのでしょうか…?(軽くネットで調べた限り、緑とアーモンドの関係性はそれくらいしかなかった)

 単純な識別にたまたま緑のゴマを使ったのか、何か深い意味があるのかはわかりませんでした。(笑)


ルイ・シマーのボンボンショコラ

 今回のリヨン旅で1番の出逢いはこちらのチョコレート屋さん「Louis Simart(ルイ・シマー)」。リヨンの観光エリアから少しだけ外れたところにあるお店です。
(こちらのお店を日本語で紹介されている人が見つからず、翻訳音声を聞いてカタカナ名を付けたのですが……合ってなかったらスミマセン)


 たまたま近くを歩いていて偶然見つけたお店なのですが、Googleの口コミの感じだとリヨンの方に密かに愛されているお店のようだったので、勇気を出して立ち寄ることにしました。

カフェなどが並ぶ道にひっそりと佇むお店。
ロゴの書体からか、どこかカジュアルさも感じます

 店内にはボンボンショコラのほか、タブレットやショコラオランジェなど、色々なチョコレート菓子が並んでいます。
店内の説明書きがほぼフランス語だったのでオロオロしていたのですが、奥の厨房からカジュアルな格好をした、体格のいいお兄さんが出てきてくれまして。
お兄さんは英語をほぼ話せず、私はフランス語を話せないし英語もカタコトという大ピンチ。初めてスマホの翻訳機を使って会話をしました。

 カウンターに並べられていたボンボンショコラが気になりすぎて、お兄さんのおすすめを選んでいただき無事に購入完了。「英語が話せなくてごめんね」と英語で謝られるという珍事。
 私としては、まともに言葉も通じず入ってしまったので、むしろ相手にされないのでは……とビクビクしていたので、「相手してくれたうえ更に謝ってくるなんて……なんていい人!」となりました。(笑)
「気にしないで、私もフランス語が話せなくてごめんなさい!」と謝りつつ笑顔でお店を後にしました。

 後ほど調べたところ、その相手をしてくれたお兄さんがお店の名前でもあるLouis Simartさんだとわかりました。(笑)
一生懸命チョコレートを紹介してくれて、本当にとても良い方でした。

ボンボンショコラ6個セットを買いました!
中身は自分で選べますが、私はSimartさんに選んでいただきました

 見た目は手作り感のあるシンプルなボンボンショコラなのですが、味は見た目よりもそれぞれ華やかで美味しい!!
甘みはそれほどではないのですが、それぞれのフレーバーが際立っています。

 日頃からカカオ強めのチョコレートを食べている方、ボンボンショコラでもカカオの味や風味はしっかりほしいという人におすすめのチョコレートでした。

この線や点々でフレーバーを識別します

 値段も有名店より少し手頃だし美味しいし……リヨンの人が愛する理由がわかる気がします。このお店との出逢いは本当に旅ならではという感じで、とても嬉しかったです。こういうことがあると、また勇気を出してお店に飛び込もうと思ってしまいます。

 またリヨンへ行った際は(チョコのためにできれば涼しい時期に!)、ほかのボンボンショコラやチョコレートも買ってみたいと思いました。

お店のInstagramには、ボンボンショコラ以外の商品や遊び心満載のチョコレートが紹介されているので、そちらもぜひ御覧ください。


フランスで買ったチョコレートタブレット

まだチョコレートの話は続きますよ。(笑)
ここからは買ったチョコレートタブレットをまとめておきます。
まだ封を開けていないものが多いので、ざっくりと情報だけ。

今回の旅で買ったチョコレート!
リヨン発祥じゃないBONNATが多いのは、大好きだからでして…許して…(笑)


 -CHOCOLAT BONNATのタブレット

 リヨンにゆかりがあるお店ではないのですが……好きなチョコレートに久々に出逢えて思わず買ったのがこちら。
CHOCOLAT BONNAT(ショコラ・ボナ)の板チョコです。

 ボナはフランスの北にあるVoiron(ヴォワロン)という村に本店を持つ老舗のショコラトリーで、こちらも古くからビーントゥーバーを取り入れているブランド。ミックスもなくはないようですが、1つの産地のカカオだけで作られた(シングルオリジン)チョコレートタブレットが有名なお店です。

右上のピンクのパッケージ「ハイチ」が、今のところBONNATの中で一番好き!

カカオの含有率が高いタブレットが多いお店なのですが、驚くのはその口当たりの良さ!
含有量が高いチョコレート独特の舌に残る感じがほとんどなく、口の中で柔らく溶けて広がる甘みや酸味、苦味、そして香り……!!
 産地ごとのカカオの個性を潰すことなく食べやすくしてくれている、そんなチョコレートが食べられるブランドです。

 チョコレート、というかカカオが好き!という私のような人も好きだと思いますし、ドライフルーツなどが載ったチョコレートもあるので、甘くまろやかなチョコレートが好きな人も楽しむことができます。

 ただ日本だとバレンタインシーズンに百貨店のフェアで見かけたり、輸入食品・輸入チョコレート専門店で稀に売られているくらいでしかお目にかかれない、比較的レアなチョコレートブランドです。

 フランスに来ているからなのか、たまたま手に取った産地のものがお手頃だったのかわかりませんが(ボナのチョコは産地によって値段が違うので)、日本で買うよりもお手頃だったのもありお気に入りのピンクのパッケージの「Haiti(ハイチ)」と、食べたことのないタブレットを3枚買ってみました。

 ハイチのタブレットはカカオ75%でありながらフルーツみたいなさわやかさがあるのに感動して、出逢ってからずっと虜になっています。
 ほかのまだ食べたことがない「エクアドル」「マダカスカル」「ロス コロロラドス」も、これからどんな驚きとくれるのか……楽しみ過ぎてまだ開けられていません。(笑)


 -WeissとBasile & Téaのタブレット

こちらはリヨン空港(出発ロビーの免税店)でジャケ買いしたチョコレート。

Weiss(ヴェイス)」はリヨンの近くの町(?)で創業した歴史のあるショコラトリーで、リヨンにもお店があります。
公式サイトなどで調べたところ、100%カカオのタブレットも人気らしいのですが、私はビビって85%にとどめました…。また出逢ったら、100%にもチャレンジしてみたい。(笑)

パッケージがおしゃれでパケ買いしました

 お隣の「Basile & Téa(バジル&ティー)」も、リヨンで修行した若手のパティシエ2人が立ち上げたチョコレートブランド。創業時期は探しても見つかりませんでしたが、今回紹介したチョコレートの中ではLouis Simartさんと同じく新進気鋭?な感じがします。

 空港の免税店でプッシュされていたので思わず手に取ったのですが、よくよく調べてみると、香料不使用だったりチョコレートを作る際に乳化剤としてよく使われる「大豆レシチン」を使わなかったり、カカオや素材を活かしたチョコレートづくりをされている様子。

 チョコレートはボンボンショコラなどに代表されるような、宝石ような美しい見た目とフランス料理のような複雑な香りや味を楽しむものがある一方で、フェアトレードやオーガニック、そのほか環境や健康、世界の問題に配慮された製品も色々あって、チョコレート市場の奥深さを感じます。


レバノンレストランで出会った「バクラヴァ」

 こちらもリヨン名物ではないのですが、素敵な出逢いだったので……
食事編にも書いたレバノンレストランで見つけた中近東で古くから伝わるお菓子「バクラヴァ」。

 最近日本でも売られるようになっていて、日本では食べたことがなかったので食べてみることにしたのですが、バクラヴァっていろんな種類があるんですね!

いつか食べてみたいと思っていたバクラヴァ!

 お店のおばあさんいわく、この上の写真のお菓子全部が「バクラヴァ」だそう。
日本だと右のパイみたいな生地とナッツの組み合わせのお菓子がバクラヴァというイメージでしたが、この細かい糸のような生地(「カダイフ」というらしい?)のお菓子もバクラヴァだし、奥のねじねじしたお菓子もバクラヴァ。
ナッツ&生地の甘いお菓子、それが「バクラヴァ」と言って良さそうです。

 どれもシロップがかかっていて甘みが強いのですが、ナッツと組み合わせるとナッツの入ったヌガーのような(スニッカーズ的な?)、元気が出そうな味になるから不思議です。

暑い国の飲み物やお菓子って甘いものが多いイメージなのですが、このお菓子が甘いのも中近東の気候や文化が関係しているのかしら?などと思いながら、フランスという思わぬ場所で本格的なバクラヴァを頂くことになりました。


スーパー・コンビニ系お菓子

ここからはおそらくフランスならどこでも売っていそうな気がするお菓子をちょっとだけ!

  -Bonne Mamanのタルトクッキー(ミルクチョコ)

フランスでよく売られているお菓子ブランド「Bonne Maman(ボンヌママン)」。
ナッツとミルクチョコ、サクッとした軽いクッキー生地の組み合わせが美味しかった

-Lay'sのポテトチップス「ソルト&ビネガー味」

こちらもどこのスーパーやコンビニにも売っていたLay's。
ブランドとしてはアメリカのものなのですが、
この塩&酢のポテトチップスが気になって思わず購入。
わりと酸味強めだけどポテチの油分をさっぱりさせてくれて美味しかった!


最後に

ここまで読んでくださった方はお気づきだと思いますが……
私のリヨンの旅、食べ過ぎです。(笑)
1週間でどんだけ食べてんねん!と思いました。
(まあ、現地で食べずに持って帰っているものもあるのですが)

そして、まとめるのにだいぶ時間がかかりましたが、やっと私の中でリヨン旅が完結した気がします。

フランスにこんなに長くいたことがなかったので色々発見が多かったですし、1週間のんびり1箇所で過ごす旅もあまりしたことがなかったので新鮮でした。観光地以外をウロウロする時間があったからこそ、今回のLouis Simartさんとの出逢いみたいな経験もできたんじゃないかと。


いい時間だったな。

ではでは、だいぶ長くなりましたがお読みいただきありがとうございました!


*おまけ*スーパーにネスプレッソマシン!

 最近日本のスーパーやコンビニに行くと、その場で淹れてくれるいわゆる「コンビニコーヒー」が結構普及していると思うのですが、フランスのスーパーでも見かけました!

スーパーの入口にそびえ立つネスプレッソ。

 しかもスーパーごとのオリジナルコーヒーではなく、ネスプレッソ。コンビニのコーヒーはそれはそれで好きだけど、ネスプレッソのコーヒーも日本のどこかのお店で置いてくれないでしょうか…。
しかもこの機械、コーヒーだけでなくお茶も出るんですよ……優秀!

 家以外でも手軽にネスプレッソが飲めたら幸せなんだけどな……などと思いながら、家のものより遥かに存在感のあるエスプレッソマシンを眺めていたのでした。

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ニョコロ*
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