見出し画像

ビタミンCがとりたくて。

ドイツはナチュラル志向な人が多いと思う。
だからか、YoutubeやSpotifyなどに挟まる広告で「Natur自然」とか自然にまつわる言葉をよく耳にする。

広告はターゲットとする人たちにとって魅力的な言葉を選んで使うもの。
だから「ナチュラルである」ということがとても魅力的なことなのだろうなと思っている。
日本もナチュラル志向な人は少なくないけれど、スーパーで扱っているBio(オーガニック)の商品の多さは、ドイツの方が絶対に優っている。
Bio商品だけを扱うスーパーマーケットを見かけることもかなり多いし、自然志向の人は日本よりドイツの方が多いのだと思う。

それだけ市民権を得ているからか、日本のBio商品よりも価格が安い。手に取りやすいからこそ、より選ぶ人が多く、さらに扱う商品が増える、というのもあるかもしれない。
ドイツのBio商品の価格は、お肉類を除けば通常商品の1~2割増しくらいで買えるものも結構ある。
栽培方法やそもそも「オーガニック商品」としていい基準が違うなど、別の事情もあるのかもしれないけれど、日本に比べるとかなり安いと思う。


そんなナチュラル大好き大国にいると、意外なところでつまずきがある。
それはサプリメントなどのややケミカルな商品が手薄なところだ。

肌を守る日焼け止めも、今は世界で一般的に使われているものだけれど、ドイツの中には「日焼け止めはケミカルなもので、肌に害がある」と信じている人が一部いるらしい。
昨年の夏に、ドイツの美容系インフルエンサーさんがエビデンスをもとに「肌に優しいものを使えば大丈夫だから、健康のためにちゃんと塗って」と呼びかけていたくらいだ。

胃の不調、脂肪燃焼、体を温めたり、リラックス用など
ドイツではとにかく沢山のハーブティーが売られている

あと、ちょっとの不調は薬ではなく、ハーブティーで治そうとする習慣がある。
咳とか、冷え、胃の不調などで最初に勧められるのはハーブティー。日本やアジアでいう「漢方」にあたるのが、このハーブティーなのだと思う。
ほかにも、ハーブを配合した養命酒のようなものもあって、それらもスーパーやドラッグストアに売られている。

この「まずはハーブティー治療」が一般化しているのも、体にできるだけケミカルなものを取り入れたくないという文化を育てているような気がする。


もちろんドラッグストアや薬局に行けば、薬やサプリなどがまったくないわけではない。
ドイツの冬の日照時間が短いせいで「冬期うつ(ウィンターブルー)」になりやすいので、ビタミンDのサプリは冬場はかなり売られている。

あと、タブレット型の水に溶かして飲むタイプの栄養ドリンクはドイツ土産としても有名で、ドラッグストアやスーパーでいろいろなメーカーのものが売られている。

味も私は好きなのだけれど……簡単に言えば、駄菓子の粉ドリンクみたいな味がする。つまり、多少好みがわかれる。

こちらはドイツのドラッグストア「dm」のもの。
1本に20個くらいタブレットが入っていて1ユーロくらいで買える

ほかにもグミタイプとかキャンディタイプとか、日本と負けず劣らずな摂取のバリエーションがある。
ただ、日本のものより栄養の成分量が少ない。
とくに私が気にしているのは、ビタミンCの配合量だ。

さきほどのタブレットドリンクの「ビタミンC」は、含有量が240mgだった

日本では、ちょっとした栄養ドリンクやビタミン系のドリンクでも、ビタミンCを推す商品は1000mg以上が多い。
サプリメントの場合、日本だと大体1000mgから始まって、2000~3000mgくらいまでを1日分とするものが多いと思う。


しかしドイツはタブレットのドリンクなどは200mgくらいからで、だいたい日本の1/5からのスタートだ。
そしてサプリメントも、調べる限り1200~1300mgまでを1日分とする錠剤が多い。

近所のお店で見る限り最高値だったビタミンCサプリ。
最近配合量が1300mgに変更になったらしい

日本で日頃からビタミンCの2000mg含有されたサプリメントを飲んでいたのもあって、若干心もとない。

ビタミンCは吸収しきれなければそのまま体外に排出されてしまうし、多く摂取してもそんなに副作用がないと聞いていたので、今まではとりあえず摂れるだけ摂るスタンスで飲んでいた。
ただ、多けりゃいいというわけでもないよな……と思い改めてビタミンCの推奨摂取量を調べてみた。


すると、実は日本で推奨されているビタミンCの摂取量は100mgで、1000mg以上の摂取は推奨していないという。(国立健康・栄養研究所のデータより

ビタミンCは、1日あたり200mg程度までの摂取の場合、吸収率が90%と高いですが、1日あたり1000mg以上摂取した場合、吸収率が50%以下になることが知られています7)。そのため、1日にまとめて大量に摂取するのではなく、適切な量をこまめに摂取することが大切です。

ネスレヘルスサイエンス
ビタミンCが多い食べ物とは?働きと1日の摂取量・摂るタイミング」より


さらに調べるとこんな情報まで出てきて、むしろドイツのビタミンC含有量の方が、体によかったりする……?という気持ちになってきている。

さらにドイツの人がよく食べる「 じゃがいも 」も、実はビタミンC爆弾のような野菜だ。
100gに約28mgのビタミンCが入っていて、一般的なサイズのじゃがいもを3~4つ食べたら、1日の推奨摂取量に到達するらしい。

ドイツのスーパーで買い物をしていると、とんでもない量のじゃがいもを袋買いしている人たちを見る。
もしかしたらドイツの人の中には、じゃがいもだけで1日の推奨摂取量に到達している人というのも結構いるのかもしれない。


逆に日本の食生活だと、1日のビタミンC摂取量は平均91~96mgほどらしい。
この「普通に生活すると不足する」という問題と、美白・美肌需要などもあいまって、この推奨量の20倍以上も配合されているビタミンCサプリが一般化したという背景もあるのかもしれない。


日本では2000mgの錠剤を飲んで、「好きなだけ摂ってくれ!」と自分の腸におまかせするスタイルできたのだけれど……
もしかしたら、摂取量そのものを見直すタイミングが来たのかもしれない。

でも……推奨量の20倍摂ることに慣れてしまった私としては、やっぱりちょっと「ものたりない」と思ってしまうのだった。


【おまけ】ビタミンCの他に私がよくお世話になっているサプリ。
Bierhefe(ビール酵母)とCrucuma(ウコン)
(ウコンは飲み過ぎのときだけでなく、疲れなどにも効くよ!)

サポートしていただくと、たぶん食べ物の記事が増えます。もぐもぐ。