【陽だまり日記】思い出メロディー
中学生の頃だなんて、何年前かしらと思うくらいなのに。
案外、あの頃に学校で歌っていた合唱曲って今でも歌えてしまう気がする。
校歌よりも鮮明に覚えていたりするのは、あるあるなのか、私だけなのか。
合唱曲って全国共通で、同年代で在れば同じものを歌っている印象があったのだけれど、案外そうでも無いらしい。
1~3歳差の同僚たちと話していると、地域によって少しずつ違うことに驚いた。
卒業式に歌う合唱曲は大体同じだけれど、学年集会で歌う合唱曲というものにそれぞれ特色があるようだ。
私の場合、地元近隣の中学校で行われる卒業式には、大抵「旅立ちの日に」という歌がテッパンだったように思う。
大地賛歌も知っているけれど、正直そんなに皆で意欲的に歌った印象はないなあ。
一方で、学年集会で、取り分けよく歌ったのは「COSMOS」と「手のひらを翳して」。
時々、妙に思い出す。
合唱祭の準備の際、当時ピアノを習っていた私は、男子のパート練習のメロディー弾く役を担うことが少なくなかった。
14歳くらいの男の子たちなんて、思春期真っただ中。
悪ぶってみたり、ツンツンとがってみたり、まあ忙しい。
課題曲のパート練習に飽きるのなんて当たり前。
女子ひとり、男子に囲まれて、キーボードを弾くのは中々大変だった。
だけれど時々、
「ねーえー、COSMOS歌いたいんだけど。ピアノやって!」
なんて、染めたばかりの髪を揺らした眉なし君たちが言うのだ。
伴奏をすると、それに合わせてとても楽しそうに歌って見せたりする。
今でも、あの時の情景がふと浮かぶ。
あれが音楽の力というものなんだろうか。
心を一つに、なんてことが、本当に信じられるような瞬間。
あの時の瞬間を思い出すと、何だか明日も頑張れる気がする。
そんな木曜日。
明日は金曜日、そうしたら三連休。
あともう少し、あともう少し頑張ろう。