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【陽だまり日記】ピンクと水色

子どもの頃、好きな色は何色かと問われる機会が多かったように思う。
私は、ピンクと水色が好きなのだと言っていた。

祖母から「あなたのお母さんは子供の頃、ピンクと水色が好きだったのよ。」という話を聞いて、私もソウイウコトにしたのだ。

実際のところ、あの当時の私に、特別な色というものは存在しなかった。


今、振り返って言語化すると、これは「母と似た感性を持てば母に愛されると思った」故の行動なのだろう。
なお、念の為に補足しておくと、私は愛に飢えた子供というよりは、確実に、オカーサン大好き、の、あまあまの甘ったれの子供だった。


ピンクの山茶花と水色の空

今日、目にした山茶花と空。

あの頃好きだと言っていた色と同じ色をしていたから、つい、カメラを向けていた。
甘やかなピンクと何処までも広がる空色が眩しい。
いとけなさを秘めた無邪気な色合いに、そっとため息をつく。  

思えば遠くまで来たもので、あの頃の母と変わらぬ歳となった私がいる。

あの時、潜りつく私を抱きしめていた人は、強気を振り絞って母親を務めていたのだろう。

山茶花の花言葉は、「ひたむきな愛」と「困難に打ち勝つ」である。

今年は、あちらこちらで、山茶花が咲いているのを見かける。
こんなに可憐な花だったのかと花弁に触れると、どきりとするほど柔らかかった。
 



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