【小説】火蛾 (古泉 迦十)
12世紀の中東。
聖者たちの伝記録編纂を志す詩人のファリードは、伝説の聖者の教派につらなるという男を訪ねる。
男が語ったのは、アリーのという若き行者の《物語》──姿を顕さぬ導師と四人の修行者だけが住まう《山》の閉ざされた穹盧(きゅうろ)の中で起きた連続殺人だった...というお話。
「23年間、文庫化されなかった作品が遂に文庫化された!」と話題になっていたので手に取ってみた次第。
世にも稀なるムスリム・ミステリ!
とゆー訳でどんなもんだろうかとワクワクながらも自分理解できるのか?と一抹の不安も有りながらも読了。
内容的にはわかりやすいんだけど、物語的には講義のオンパレードが大半を占めてしまうので少し退屈になってしまった。
京極堂の講釈はワクワク読めるのに不思議だ。
思いの外それほどイスラム教というものに興味がなかったんだろうな。
作品の性質的にしょうがない部分もあるから、まぁ御愛嬌って感じ。
全てがあからさまに説明される本書の仕掛け、真相を思えば当然と言った所だろうか。
複雑な論理がわかりやすく見事に構築されているんだと思う。
黒死館級のペダントリーな置いてきぼり感は無いのでご安心ください。
面白くはあるんだろうけど、理解できたとは思えないし、幻想的な場面では少しけむに巻かれたような気もしないでも無い。
まぁそれがこの作品の良さなんだろうなぁ。
少しは知らない世界の造詣ができたかな?
時間を置いてまた読んでみたい。
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