【小説】エレファントヘッド (白石 智之)
精神科医の象山は家族を愛している。
だが彼は知っていた。
どんなに幸せな家族も、たった一つの小さな亀裂から崩壊してしまうことを。
やがて謎の薬を手に入れたことで、彼は人知を超えた殺人事件に巻き込まれていく...というお話し。
プロローグから惜しみなく披露される数々の表現、次の章で主人公に驚き、急展開に驚き、倒錯していくストーリーに溺れていく。
あまりの特殊設定ぶりというかSF的というか、自分の脳が付いて行けるのか心配になるほどにストーリーもキャラも背景も凄まじすぎる。
そのくせ筋道は割と論理立てされ感心する。
多重解決をマルチバースを介して展開して、紐解いていくというアプローチは中々に挑戦的。
多次元の「自分たち」との自分脳内会議はさながら「象山ノベルティックユニバース」とでも言うべきか。
しかし、主人公がほんと救いようがなく倫理観のへったくれもないクソクズぶりには乾いた笑いが出てしまう。
まぁ最後の処遇にはむげなるかな。
ある意味「ジョジョの奇妙な冒険」第5部のディアボロ的なアレで無限地獄とゆーやつなのかな?
突然のデウスエクス・マキナ的な人物の登場には少々はなじらんだけど、解説役いないとしまらんだろうからなぁ、と自分を納得させたり。
もうちょっと上手く入り込んでくれたらなぁとごく個人的なワガママ。
ようこそ、最先端のカオスへ。
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