パパとママは「収納」が好き
ある日、保育園専用アプリに送られてきた連絡帳に、こんな事が書いてあった。
「にぃちゃん(3歳娘のこと)が折り紙で工作をしながら『これはえんぴつを収納するやつなの!』と言っていました。『収納』なんて言葉を知っていてすごいですね!」
収納……!
前にも似たようなことがあったな、と思い出す。
今より広い部屋を求めて賃貸物件の内見を重ねていた今年の初め頃のこと。
LDKを見渡していた私と夫に向かって、娘(当時2歳)が一言、
「このへや、しゅうのうがたくさんあるね〜」
と言ったのである。
おそらく我々が内見のたびに「この部屋の収納はさ」「収納が広いね」と、収納収納言っていたのだと思う。そしてたぶん、収納が広い、多いと言う時の私たちの顔は嬉しそうで、娘は「収納がたくさんあるのはいいこと」と学習したのであろう。そうして爆誕してしまったのが、収納を(言語的に)使いこなす3歳児だ。
正直、キレイとは言えない部屋に住んでいるが、子どもには片付け上手になってほしい、人として。そう思って、口を酸っぱくして「おかたづけ、おかたづけ」と言ってきた。
ある時、5歳息子、いちくんのバッグから謎の工作が出てきた。
牛乳パックに白いA4用紙を貼り付けた何か。
いつものように、モンスターやおばけを作ったわけではなさそうだ。
「いちくん、これなに作ったの?」
と聞くと、息子は「それ、にぃちゃんの!」と言う。いや、いちくんが作ったんでしょ?と言うと、「だから、にぃちゃんに作ったんだよ。ほら、リカちゃんのお片付けするやつ」
リカちゃんをお片付けするやつ……?
つまり、こういうことか。
「にぃちゃんがお片付けできるように作ったんだよ!」
とドヤる兄に、何とも微妙な笑みを浮かべる妹。
うん、そうだね。収納は大事。大事なんだけど……うーん。
新居には収納がたくさんある。ママもパパもニコニコだ。
収納を作ったり、使いこなしたり。
だけどママは、転がったリカちゃん入れや、えんぴつをしまう折り紙を見ながら言いたいの。
ちがう、そうじゃない。
収納は、片付けるものなのよ。