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文学フリマ東京39 遠征記録

2024年12月1日、東京ビッグサイトで開催された「文学フリマ東京39」に一般参加してきました。
初めての文フリに圧倒されました。

本稿は「前日」と「当日」の二部構成としています。前日は私の単独行動ですので、文フリのことが気になる方は、目次から「当日」へ飛んでください。




前日

お昼前に東京に入り、浅草へ。
お酒なんて年に一度も飲まないくせに、神谷バーでハチブドーパンチと煮込み、のつもりでしたが、そのあと酔っ払って電車で巡るのは危険すぎると判断し、どじょう鍋をいただくことにしました。
どじょう、こちらではなかなか食べられないですからね。

駒形どぜうは何度かお訪ねしたので、今回は飯田屋にて。美味しかったです。


それから電車を乗り継ぎ荻窪方面へ。
まず、枡野浩一さんの仕事場「枡野書店」に。枡野さんがその場にいらっしゃらないことは承知のうえで、その付近を歩いてみたかったのです。
著者が活動されている街や作品の舞台を知っていると、文章の受容に厚みが出る気がしています。浅草を歩く前と後とでは、乱歩の小説も受け取り方が変わってくると思うのです。

荻窪を散策してみたかったのも、同じ理由から。
木下龍也さん、鈴木晴香さんの「荻窪メリーゴーランド」を読み、深く感じるものがあったのですが、荻窪がまったくわからないため、一度その街に身を置いてみたかった。
聖地巡礼でもなんでもなく、ただ、その空気を知りたいのです。

荻窪へ向かう電車のなかで、西荻窪の今野書店を思い出したのは幸いでした。ずっと気になっていた「ショートソング」(枡野浩一著)を購入し、
店内では「将棋の渡辺くん」の伊奈めぐみさんのサイン色紙も見ることができました。


その後、千駄ヶ谷の新将棋会館を見学し、棋の音カフェの混雑ぶりに絶望し、いったんホテルへ。書泉グランデにも行けたら、と思っていましたが何せ本番は明日。無理は禁物です。

ちょうど1年前にも東京出張で中央線に乗っていたのですが、そのときの自分には短歌は欠片もありませんでした。1年で、いや半年で、人というのは変わるものです。


夜からは、ヒュー! 日向 マッチング短歌の3年間の受賞者が集まる同窓会に。
歌人の小川優子さんの「銀狐」は、まさにサロンという趣の、とても素敵なお店でした。
その場で思い立って、天野慶さんに伝言をお伝えできたのはファインプレイだったはず。


お会いできた皆さま、ありがとうございました。
お会いできなかった皆さま、またお目にかかれますように。
これからも仲良くしてください。

枡野さん、みんな会いたがってますの。


当日

文学フリマ東京の開場は12時。果たして何時に着けば良いものか、まるで見当がつきません。
悩みながらホテルで横置きになっていても仕方がないので、予定より早く発つことにしました。



結果、東京ビッグサイトに到着したのは10時15分頃。サークル入場が始まったくらいの時間帯でした。
それでも、入場待ちの一般参加者は50~60人くらいおられたでしょうか。
屋外での待機でしたが、師走とは思えない陽気で苦になりません。
なにより、昨日購入した「ショートソング」が手元にあります。馴染みのある短歌たちにほくほくしながら読み進めていくと、柳澤真実さんの歌がいくつも現れました。
なんという展開……!! と引き込まれたところで、待機列の屋内への誘導が始まりました。こんな良いところで……

ともかく、スタッフさんがイープラスのチケットを確認してリストバンドを渡してくださり、開場を待ちます。
自分が出展しているわけじゃないのに、どきどきします。


無事にオープンのアナウンスがあり、まずは「スペース短歌」のブース(時事通信出版局)へ。
短歌を始めて間もない私は、あいにくスペース短歌の最終回にしか参加できておりません。ただ、短歌仲間の歌が掲載されていますし、何より、初谷むいさん、寺井龍哉さん、千葉聡さんのスペースは本当に楽しくて勉強になりました。ゲストの枡野浩一さんの回を聴くことができたのも幸運なことでした。

お忙しいなかにもかかわらず、お話させていただくことができ、少々無理を申し上げたサインのお願いにも快く応じてくださり、本当にありがとうございました。
ゆっくり拝読します。


サインといえば、岡本真帆さん、笹公人さんからもいただくことができました。お二人とも、為書きも入れてくださり、大切な思い出となりました。


ヒュー! 日向のメンバーも参加されている本、「烏の夜食」、「金森人浩」、「琥珀糖」も無事に購入でき、A短歌会のココタンでお世話になった鈴木ベルキさんにもご挨拶できました。


また、第3回烏の夜食ついばみスペース付句大会の準優勝の賞品として「ひとなみ」、「ひとなみ2」を頂戴し、帰りの新幹線で早速読ませていただきました。
藤波えりかさんの短歌は空気感が本当に素敵で、扉のエッセイも惹き込まれる文章でした。ご縁があったことに感謝しています。


短歌以外にも、Xでお見掛けして注目していた装幀室白亜さん、ソグディアナの月さん、コストマリー事務局さん、音食紀行さんの本も購入でき、満点の文学フリマとなりました。


そして、これらの本たちを懐深く包み込んでくれたのが、ヒュー! 日向のトートバッグでした。
9月のマッチング短歌交流会の際に購入し「絶対文フリで役立つはず!」とあたためていた甲斐がありました。
きみがいなければ、鞄が崩壊していたよ。ありがとう。これからも相棒でいてください。

https://furunavi.jp/product_detail.aspx?pid=1317110



それにしても、初めての文学フリマは戦いでした。
来場者数は14,967人(出店者4,026人、一般来場者10,941人)と聞いて、そんなものなのか、と思うほどの混雑でした。
目当てのブースはすべて訪問でき、欲しいものは購入できたつもりですが、ふらっとウィンドウショッピング感覚で不意の出会いを、というわけにはいきませんでした。きっと素敵なブースがたくさんあったはずです。
どこかで巡りあえますように。

これからも、京都、大阪など、文学フリマにお邪魔できればと思っています。
そして、いつの日か、自分も出展者として。


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