ぬまるねこ

昔は書くのが好きだった。 どこかで大人としての常識的な文章を書かなければいけないと思い込んでからつまらなくなった。 そのストッパーの外し方を探しているところ。

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昔は書くのが好きだった。 どこかで大人としての常識的な文章を書かなければいけないと思い込んでからつまらなくなった。 そのストッパーの外し方を探しているところ。

マガジン

  • 愛着障害を発端として色々考えたこと

    自分が書いた愛着障害と、そこから派生して愛情関係そのものや、メンタルについて考えたことの記事をまとめました。

最近の記事

昔ながらのやり方に戻せば昔に戻れるという思い込み

百田尚樹という人が、少子化の解決策として「30までに産まない女性からは子宮摘出することにするとか」と言ったそうだ。 人権の概念がまるごと抜けているし、いろんな意味であり得ない発言なのは誰でもわかると思う。当然、炎上した。 自分がこれに対して思ったのは、「昔ながらのやり方に戻せば昔に戻れる」と勘違いする人間がいるんだな、ということだ。 うまくいっている→状況が変わる→今までのやり方では通用しなくなる→新しいやり方に切り替える→(なんらかの要因で)うまくいかない こうなったとき

    • プレ・ノスタルジーが飽和する

      30を過ぎた頃、それまで自分にのしかかっていた「正しい選択をし続けないと自分の可能性が大幅に目減りする」というプレッシャーが急に軽くなったように感じた。 歳をとったことで自動的に可能性は狭まった。この先は少なくなった選択肢から選んでいくしかない。なんて、気楽なんだろう。 しかし40代半ばを過ぎて今度は、会う人、今存在しているもの(お店や会社や製品)に対して「これが最後かもしれない」と思うようになった。 親と同じ世代の有名人の訃報を最近はよく聞く。 ずっとあると思っていたお店

      • 『イベリン 彼が生きた証』

        生まれつきの難病(筋ジストロフィー)により、25歳で他界した青年のドキュメンタリー。 Netflixで観れる。 友達も作らず、恋もせず、孤独なまま一生を終えるのだと両親は思い、悲しんでいたが、彼はゲームの中で人間関係を築き、生きていた。 じっくりと人の話を聞き、真摯に相談に乗る。 彼のおかげで自閉症の息子とコミュニケーションが取れるようになったという女性もいる(息子もゲームに参加)。 彼の葬儀にゲーム仲間が参列する。EU内とはいえ、外国から集まってくる。 彼の父親のスピー

        • 自分的にアツすぎる秋ドラマまとめ

          ドラマは結構観る方で、大体9,10時台の地上波のドラマは一通りチェックし、面白そうなら継続するという感じ。 今放送中のドラマで自分的にこれはアツい!となっているのを挙げてみる。 無能の鷹(金曜夜11:15~テレビ朝日) 翌日にNetflixで観てる。原作もちょっとだけ読んだけど、めっちゃ面白い。 すんごく仕事できそうなのになにもできない新入社員・鷹野を菜々緒が演じる。 なにもできないのにまったく気にしていない鷹野の姿勢に勇気をもらえる。 「会社が私を必要としているかは考え

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        • 愛着障害を発端として色々考えたこと
          14本

        記事

          ベイビーわるきゅーれ

          『ベイビーわるきゅーれナイズデイズ』を観た。最高だった。 『ベイビーわるきゅーれ』『ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー』に次ぐ、三作目の映画。 前二作を配信で観て、最近TVerで『ベイビーわるきゅーれ エブリデイズ』というドラマも観ている。 女の子の殺し屋コンビが一緒に暮らしている。「協会」からは表向きの仕事としてなにかバイトをするように言われているが、社会性がなく、トラブル続きである。 これ、一作目より二作目、二作目より三作目の方が断然いい。 そんな作品は稀だろう。 続編が

          ベイビーわるきゅーれ

          お誕生会のプレゼントで恥をかいた同盟

          何もない丘の上にうちの両親が一軒家を建てた後、ぽこぽこと隣近所にも家が建ち、どの家にも同じ年頃の子どもがいたので、自然と一緒に遊ぶようになった。 我が家は両親とも公立の学校教員なので、当然、公立の小学校に通ったのだが、他の家の子は結構ブルジョワジーで、お嬢様学校と言われる私立の小学校に通う子たちに囲まれる図となった。 同い年の近所の女の子がお誕生日会をやるというのに招かれた。 当時、確か小3とかだったと思う。学年×100円しかお小遣いをもらっていなかった私だったが、「友達へ

          お誕生会のプレゼントで恥をかいた同盟

          「働いてる方が偉い」という幻想

          随分前の話だ。ひとり暮らしの部屋で、頭痛がして寝ていたら、インターフォンが鳴った。 マンションの営業マンだった。マンションを買う予定はないんで、と言ったが、「なぜですか」と食い下がる。頭が痛くて寝ていたんですけど、と言っても帰らない。 なんとかして追い返した後、「あの人はなんであんな仕事をしているんだろうな」と考えた。死んだような目をして、とにかくノルマを達成するまでは帰ってくるなとか言われてそうだった。 犯罪ではないけれど、迷惑でしかない仕事。 世の中にはそういう仕事が沢

          「働いてる方が偉い」という幻想

          ネコのレーゾンデートル

          以前の記事で、幼少期構ってもらえなかった自分のことを、「散歩に連れて行ってもらえない犬のようだった」と表現した。 私の実家には猫がいる。 そういえば、あの猫こそ、かわいがられるためにこの家に来たのだ。 私たち家族は、かわいがるための猫が欲しくてもらってきたのだ。 私や実家の家族は、あの猫を十分にかわいがっただろうか。 家の中を大好きなおじいちゃん(私の父)を探してウロウロする。 おじいちゃんがいなければ他の家族にスリスリする。 猫は、まあ飼い猫になれなかったら野良で、誰に

          ネコのレーゾンデートル

          競争社会と障害

          COTENラジオの「障害の歴史」を聞いた。 「時代によって、『理想とされる人間像』が異なり、そこから外れた人が障碍者と呼ばれてきた」という話が非常に興味深かった。 ほとんどの人間が農民だった頃には「軽度知的障害」は存在しなかった。仕事に支障がなかったからだ。 工業化が進むと、読み書き計算ができない人は障碍者扱いになる。 そして現代、さらに仕事が複雑化し、「発達障害」というキーワードが流行り始めた。時代が違えば、仕事に支障はなかった人たち。 ところでなぜ仕事がどんどん複雑化す

          競争社会と障害

          「普通の」結婚願望がある男が怖い

          今観てるドラマでなかなか最低な男が登場する。 主人公にプロポーズするのだが、主人公の父親が殺人犯だと知って、「この人と子どもを作ったらその子にも殺人犯の遺伝子が受け継がれてるってことだ、そんなの無理だ!」となってプロポーズを取り下げる。 曰く、「俺、結婚したら絶対に子どもは欲しい『普通の』人間なんで」 私は子どもを産んだとしてもちゃんと愛せるか自信がない。 自分が世話しなくていい子どもは、見ている分にはかわいい。 しかし、妻に育児の負担が集中しがちな今の日本で、自分だけに育

          「普通の」結婚願望がある男が怖い

          さよならヨーカドー

          地元のヨーカドーが閉店する。 子どものころからずっとそこにあったお店だ。 幼いころ私が親に構ってもらえなかったのは以前書いた通りだけれど、小学生くらいになると、母親は週末の買い出しに私を連れていくようになった。 一度、私を置いて一人で買い出しに行ってしまったときがあった。 私が近所の子たちと遊んでいるのを見て、邪魔しちゃ悪いと思い、声をかけなかったそうだ。私は大変にがっかりして、一緒に行きたかったと言った。 思い返せばそれくらい、週末に母とヨーカドーに行くことは私にとって

          さよならヨーカドー

          憧れは愛じゃない

          最近、「レジデント 型破りな天才研修医」という海外ドラマをNetflixで観ている。 その中に、ミーナというキャラクターがいて、私は彼女が大好きだ。 とても優秀で、強くて、不器用だけれど優しい。職場の上下関係で理不尽な目に遭っても、冷静に立ち回るし、癖が強すぎる相手にもひるまない。外科の研修医だけれど実は服飾が趣味で、ドレスを作っていたりする一面も素敵だ。 そんな彼女はドラマの中でも当然モテていて、マイカという恋人がいる。 マイカは陽の気にあふれたとてもいい奴で、恋愛しない主

          憧れは愛じゃない

          「意味」星人に気をつけろ

          ちょいちょい「生きる意味」とか問いがちだけれど、こういう文脈で「意味」というときには、必ず「誰にとっての」という主体が存在する。 意義と言い換えてもいい。「意味あるの?」はつまり、「誰のためになるの?」である。 勉強する意味は、将来の自分のため。 ボランティアは、困っている人のため。 働く意味は、今の自分のためであり、家族のためであり、将来の自分のため。(本当は、楽しいからやってるんだけど) じゃあ「生きる意味」って、誰のための話なのか? 「自分なんか、生きてる意味がない

          「意味」星人に気をつけろ

          競争恐怖症

          今朝、「便利なツールが普及しても仕事が減らない理由は、競争にあるのでは?」とふと思いついた。 便利なツールを他社も導入したら、別のことで頑張らないと競争に負けてしまう。兵器も同じだ。どんなに強力な兵器が発明されても、平和にならないのは、他国もそれを導入するからだ。競争は終わらない。 私は競争が嫌いだ。そういえばこんな記事を書いたな、と読み返してみたら4年も前の記事だったのでびっくりした。 (余談だけれどここに登場する「ブラック・ミラー」の「1500万メリット」は示唆に富んだ

          HOLD ON ME 愛がない女ね

          モー娘。の曲の歌い出しにドキッとする。 恋愛をするたび、私は相手のことを愛していなくて、「好きと言ってくれるから好き」以外の気持ちがほとんどないことに気づく。 私の中には自己愛しかないんだと思い知る。そして私は恋愛を上がった。 いわゆる「弱者男性」がよく、女はスペックで男を選ばずに俺たちにも目を向けろ、的な主張をする。彼らは女好きではなく、むしろ憎んでいるのに、女にモテないことを激しく気にする。 先日ネットで、「自分に自信がないから、異性などからモテることで『価値あり』の認

          HOLD ON ME 愛がない女ね

          伝わっちまった悲しみに

          少し前の話だ。母親が私に言った。 「あなたが子どものときに手を火傷して、夜中に病院に連れて行ったことあったでしょう。あなた、嬉しそうにしてた。独り占めできて嬉しかったのかな。」 泣きそうになるのを我慢した。 実家から帰る道で泣いた。 もう10年以上前になると思うが、私がFacebookに子どもの頃みた夢の話を投稿したことがある。 私のFacebookは母も見ている。 母にほんの少しだけ、私の抱えた孤独が伝わればいい、と当時は思っていた。 私も若かったのでそれくらいの攻撃性

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