『イベリン 彼が生きた証』

生まれつきの難病(筋ジストロフィー)により、25歳で他界した青年のドキュメンタリー。
Netflixで観れる。

友達も作らず、恋もせず、孤独なまま一生を終えるのだと両親は思い、悲しんでいたが、彼はゲームの中で人間関係を築き、生きていた。
じっくりと人の話を聞き、真摯に相談に乗る。
彼のおかげで自閉症の息子とコミュニケーションが取れるようになったという女性もいる(息子もゲームに参加)。

彼の葬儀にゲーム仲間が参列する。EU内とはいえ、外国から集まってくる。
彼の父親のスピーチを聞いて思った。
親は、子どもが社会に影響を与えられず死ぬことをなによりも危惧する。
逆に言えば、「社会に影響を与えること」こそが人間の幸せと思っている。
それは、そうなのかもしれないなと思った。
幸せになるってなんなのか見失いがちだけれど、少なくとも私は、社会・他者に影響を与えられたときに喜びを感じる。物質に恵まれて生活に不自由しないことではない。

一般的な親が子どもに「孫を作れ」というのはそういうことなんだろうな。
「影響」というのは計測しづらいけれど、子どもをのこせばわかりやすく目に見えるから。

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