薬を飲む前にできること
薬剤師をしていて感じること。
この薬を飲んで、飲み続けて、患者さんは本当に健康になってるんだろうか?
私たちの体はまだまだわからないことだらけ。
西洋医学の視点で細部を診ることも必要だけど、東洋医学の視点で全体を診ることを忘れてはいけない。
そして健康は体と心の両輪で考える。
昨今は健康志向の高まりで健康産業が拡大しているので、情報はあちらこちらに溢れている。その中から、費用対効果の高いもの、最新のもの、即効性のあるもの、できるだけナチュラルなもの等々、それぞれの観点から、選択し、試していると思う。
でも、全ての人に思い出してほしいのが、私たちは人間である前に動物であること。そもそも生まれ持ってる体と心の機能を十分に使っているだろうか?
年齢、性別、病気のあるなし、情報格差、貧富の格差などに関係なく、全ての人にお勧めしたい、誰もがすぐにできるセルフケア。
まず体のケアとして、まず五感をしっかり使うこと。
視覚、味覚、聴覚、嗅覚、触覚
マインドフルネスって難しそうに感じるが、要は今この瞬間に意識を向けることなので、日常のどの場面でも取り入れられる。
例えば、スマホを見ながら食事をするのではなく、一口一口を味わいながら食事をする。
イヤホンをしながら歩くのではなく、景色を見て、音を聞いて、匂いを嗅いで、空気を感じながら、筋肉の動きを感じながら歩く。
ちなみに自然の中に入ると、五感が稼働しやすい。
そしてもう一つは、体を動かす、骨と筋肉を使うこと。
私も含め頭ばかり使いがちな現代人は特にである。
歩くでも、走るでも、ラジオ体操でも、ストレッチでも、まずはなんでもいいので全身を動かす。
体を動かすことで、筋肉と骨が働き、血液が巡り、酸素が隅々まで行きわたり、細胞が新陳代謝をする。また体を動かすことで、脳が休まるし、ホルモン分泌や自律神経、免疫機能が正常に働きやすくなる。
このまま体を使わず、頭ばかり使ってると、本当に宇宙人みたいなフォルムになると私は思っている。
次に心のケアとして、感情を感じること。
ポジティブな感情も、ネガティブな感情もジャッジせず、ただそのままに感じる。
私たちは、瞬間、瞬間、色んな感情が浮かび上がってるはずだが、抑え込んだり、無視したり、無理に変換したりしてることが多い。これを繰り返していると、段々と心にうっすく靄がかかり、感じてることがわからなくなったり、麻痺して感じられなくなる。そうすると心が病んでくる。
なぜなら、自分が何を感じているかの、その感情の奥に自分の本当の願いやニーズが隠れているから。
自分の感情をきちんと感じることができると、生き方が変わる。
漢方相談をしていた時によく「体や心の声を聴いて」と言っていたが、実際簡単ではない。体や心の声を聞いて受け取るには日頃から練習が必要だと思う。そうでないと、思考やジャッジが体や心の声だと勘違いしてしまう。
感覚や感情にクリアにアクセスできるようになってくると、自分の体と心に本当に必要なことが分かるようになってくる。
薬やサプリ等、外からのケアを試す前に、もっと言えば何か症状が出る前に、まずは日頃から自分の体と心を存分に使うことをセルフケアとして試してほしい。
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