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塩で元気を貯金する。

何か大変な時に直面したときに、その時の自分に「元気」があるか、ないかで、その先の展開が全然違ってくると思う。だから自分の中に、元気を少しずつ貯めておければいいな、と考える事がある。

元気ってどういう状態?

「元気って『元々の気』と書いてそう呼ぶ。人は元々元気な生き物なんだ」というのを、書道家の武田双雲さんの著書「ポジティブの教科書」で読んで、なるほどと思った。

元々、人の体には、エネルギーを作りだすサイクルが備わっている。


そのうちの一つがクエン酸回路。
食事や、体の中で蓄えていた糖質を分解し、エネルギー源を作り出す仕組み。

このサイクルは、ビタミンB群やマグネシウム、鉄分などのミネラルがあることできれいに回る仕組みになっている。いくら糖質が十分にとれていても、疲れやすかったり、体力がないと感じる時は、これらの栄養素が不足しているのかもしれない。

1杯のスープで元気を貯金する

このサイクルで必要な栄養素のひとつ、マグネシウム。その名前は元々マグネシア(magnesia)。ギリシャのマグニシア県にちなんで命名された。
そこで採れた「マグネシアアルバ」という白い鉱物が、さまざまな病気の治療に用いられ、万能薬のようだった。これがマグネシウムの由来だそうだ。

沖縄の塩は、国内で作られる塩の中でもマグネシウムを多く含む。
マグネシウム量が0mgのものもある中で、成分表示を比較してみると、一目瞭然。

参考:わしたショップオンライン
100gあたりのマグネシウムは1660mg。1度の食事でとる塩の量はひとつまみなので、この1/200くらいのマグネシウム量になる。大体8mgくらいだ。

沖縄の塩になぜマグネシウムが多いかというと、海水の「にがり」もそのまま結晶化しているから。にがりは海水を天日干しして結晶化すると出てくる苦い液体。独特の苦味があるけれど栄養満点。

余談だけれど、私が高校生のころ「にがりダイエット」というのが話題になったことがあった。私はお小遣いでにがりを買い、味噌汁に入れたりして飲んでいた。独特の苦味が強くあり、美味しくはなかった思い出がある。それにやせなかった。

今日スープを作った。パプリカと玉ねぎ、ミニトマトのスープ。ここに沖縄の塩をひとつまみ。

塩から摂れるのはたった8mgのマグネシウムだけれど、これを明日も続けてみる。明日はおにぎりに塩をふってみようかな。
私は、それが元気の貯金になるんじゃないかなと考えている。先日発表された日本人の栄養調査(令和元年の国民健康・栄養調査)の結果でも、マグネシウムはまだ不足している。

おうちの塩を「沖縄の塩にしてみませんか?」という提案をしたい。
塩は、美味しさに欠かせない調味料。塩を摂らない日はないのだから、毎日毎日、コツコツと塩からマグネシウムをとることができる。クエン酸回路に少しずつマグネシウムが届く。
こつこつとマグネシウムをとりいれるということは、自分の体に元気を貯金するということ。

沖縄の塩が恵んでくれるぬちぐすい

沖縄のお年寄りはとにかく明るく、元気な人が多い。
何か難しいことに立ち当たっても、笑い飛ばしてくれるような強さがある。私の二人の祖母も、そんな典型的な沖縄のおばぁちゃんだ。
「世界一予約のとれないレストラン」エル・ブリのフェラン・アドリア氏のドキュメンタリーの中で、彼も言っていた。「沖縄のお年寄りの食事は、間違いなくその明るさを作っている」と。
(このドキュメンタリー、カットの一つ一つがかっこいいんですよねぇ。)

元気の理由の一つに「塩」の力があるんじゃないか、と私は考えている。
元気でいることは、自分と、大切なひとの幸せにつながっている。

元気が必要な人に、このぬちぐすい(命の薬)が届きますように。



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瑞樹 | 食と科学でWell-being
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