電気・計装エンジニア Farisさんインタビュー
マレーシア国籍で、電気・計装エンジニアとして働くFarisさんに、仕事やご自身についてお話を伺いました!
転職を考えたきっかけは
前職では当社にとってはオーナー側の企業で、保全に関する計装業務をしていました。入社して数年経ったころ社内異動の希望を出したのですが、希望通りの部署に入れなかったのが転職を考えたきっかけです。その後エージェントからこの会社を紹介され、エンジニアとして成長できると思い応募しました。
日本で働くことを選んだ理由は
マレーシアにはエンジニアリング企業があまり多くありません。他の業界も含めてエンジニアの仕事は、日本の方が圧倒的に多いと思います。また、日本を選んだもう一つの理由が、育児のしやすさです。日本の方が育児に関する制度などが充実していると思います。
電気・計装の仕事内容
現在部署には4人いて、1人は計装をメインに担当、もう1人が電気をメインに担当、そして私と上司は電気・計装両方を担当しています。通常はオーナー側の企業にいるときは、電気と計装は分かれていて両方をやることはないと思います。
私の基本的な業務は、電解槽まわりの電気・計装設備の設計です。電解槽の設備改造などで電気・計装の仕様選定が必要になってきます。また、客先のプラントで電解槽を組み立てた後、その周りの電気・計装設備のスーパーバイジングをしています。
最近は電解槽運転方法の改善を上司と進めています。今後は新たなソリューションを客先にご提案できるので、電気・計装としてできる範囲が増えてくると思っています。
仕事の裁量権はどの程度ありますか?
半分半分です。例えば予算に関わる事であれば、上司の許可をもらってからやりますが、そうでない場合は、上司に相談しながら自分でできる部分は多いです。設計業務は、品質に関わることなので都度上司の許可が必要です。
社内外で誰とやり取りすることが多いですか?
客先側とはプロジェクトマネージャーとやり取りすることが多いのですが、専門的なことについて確認が必要な時は、客先側の電気計装担当者とやりとりすることもあります。
社内はプロジェクト管理の方とのやりとりが多いです。最近は電解槽の構造についてや、昔の試験データなどを参照したいときなど、電解槽の知識があるカスタマーサービス部の方に聞くこともあります。
社内教育について
入社したての頃は、エンジニアリング部の各マネージャーが電解槽についてのレクチャーをしてくれました。また、運転中の電解槽を見学させてもらうこともあります。電解槽特有の電気設備もあるので、入ってすぐに様々なことを教えてもらい勉強になりました。
今は若手同士で毎週勉強会を開催しており、そこで気軽に質問し合うことができます。エンジニアリング業界に携わっていた人であれば、電解槽設備はそこまで多くないので、1年程度である程度の知識は習得できると思います。
仕事のやりがい
電気・計装は、国によって規格や基準が異なります。前職では日本の基準だけ知っていれば良かったのですが、この会社では、様々な国の規格・基準を学ぶ機会があります。電気・計装エンジニアとしての視野がかなり広がり、とてもやりがいを感じます。
一方、いろんな国の規格・基準がある中でどれを標準にするかを考えるのがとても難しいですね。各国の規格・基準を参照する中で、当社はどちらをベースにするのか知識と経験がないと自分では決められないのです。そんな時はベテランの社員の方に相談しながら進めています。
当社の良いところ
会社の規模感が丁度よく、社員間のコミュケーションが取りやすいです。前職では計装だけで数十人の社員がいました。専門性を極めるのであれば、大手の方が良いのですが、電気・計装以外にも様々なことを学ぶ機会は、ティッセンクルップ・ニューセラの方が圧倒的に多いです。また社員との距離感が近いので、電解槽のプロセスのことを近くにいるエンジニアリング部員の方に気軽に聞くことができます。
最近は岡山にいるカスタマーサービス部の方と韓国に出張に行く機会があったのですが、それをきっかけに繋がりができて電解槽の構造のことなど色々と相談できるようになりました。
外国人社員の受け入れ体制など、当社での働きやすさについて
私はイスラム教徒で、毎週金曜日は集団礼拝の日があります。私は入社初日上司に、毎週金曜日にモスクでの礼拝の時間をもらえないか相談したところ、受け入れてくれました。
礼拝の時間は、追加休憩を取っています。前職では立地的な問題などがあり、礼拝の時間は持てませんでした。当社はモスクも近いところにあり行き来がしやすい他、礼拝の時間を配慮してもらえるのが本当に助かります。
今は部署の人は私含めて週1回程度テレワークをしています。この会社に入って家庭の時間が増えましたし、働きやすいと思います。
部内のコミュニケーションについて
電気・計装Gr.は、上司が岡山にいて、私含め残りの3人は東京に在籍しています。上司とは離れていますが、コミュニケーションで不便に感じたことはありません。毎朝会議をしていますし、上司は月一で東京オフィスに来るので、コミュケーションは頻繁に取れています。分からないことがあればすぐに聞ける雰囲気です。
たまに不便に感じることと言えば、計装で使う測定器を使うときです。例えば、機器を発注したら、一回自分で組んでみて動作確認をしたり、実験をすることもあるのですが、測定器が岡山にしかないのです。東京には測定器を置くスペースがないので..。去年その測定の為に岡山に行くことはありましたね。
仕事において学問上で必要な知識
やはり電気・電子工学の知識ですね。自動車、部品メーカーなど様々な業界で電気・計装エンジニアがいますが、プラントの設備は特殊で、また違う電気・計装の知識が必要になってくるのです。エネルギーや再エネルギー系の電気・計装の仕事をしていれば、より当社にフィットするとは思います。
電気もしくは計装どちらかの経験があれば、当社で問題なくやっていけると思います。会社としては、特に電気の分野を強化したいと思っています。外注で対応もできるのですが、それでは電気に関する知識を社内で蓄積していくことができないので。電気・計装業務で必要な資格は特にありませんが、それよりも電気もしくは計装の実務経験が重要だと思います。
電気・計装エンジニアとして必要な英語力
基本的に英語でのコミュニケーション能力は必須です。ネイティブレベルである必要はありませんが、客先とやりとりできるレベルの英語力が求められます。英語の使用割合はメールが7割、会議や電話が3割程度です。
どんな人が当社の電気・計装Gr.に向いていますか?
現場が好きな人ですね。今はオフィスワークの方が多いですが、今後スーパーバイザー(SV)業務が発生したら、頻繁に現場に行く機会が増えると思います。私自身は、7月に2回韓国に出張しました。
また、チームで仕事が出来る人が向いていると思います。基本案件を一人で対応することはありません。協力し合いながら進めるのでチームワークが重要です。
今後の目標
電解槽設備の知識をもっと増やしていきたいです。電気・計装Gr.としては、電解槽運転方法の改善が今後の課題であり、部署として取り組んでいるところです。また今は食塩電解槽(苛性ソーダ・塩素)の電気・計装業務しか対応していないですが、今後は水電解槽設備(グリーン水素)の電気・計装にも携わっていきたいと思っています。
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