「やりたい仕事」じゃなくてもやりがいはそこかしこに
私は民間企業に勤めるフツーのOLだ。
仕事にやりがいは欲しい。ただ、会社自体は安定しているので、何かを成し遂げなければという強い危機感は持っていない。だから、キャリアのために自分なりの努力はするのだけど、「バリキャリ」と言われるほどの死に物狂いな働き方になることはないと思う。多分。
そんな私の直近の仕事は、作業者に対して指示書を黙々とつくることだ。
かつては「デザイナー」「プランナー」のように、名のつく職種に憧れていた。そして、誰かに使ってもらえるサービスを作り、喜びや良い影響を与えたいと思っていた。そうじゃない仕事なんて誰でもできる。少しカッコ悪いとさえ思ってたりもする。
ただ、実際の私はそうじゃない方の地味な作業をしてる。世界とのつながりが感じにくい。
最近あった面談で、「やりがいはなに?」と聞かれた時答えられなかった。今の仕事はそんなに人のためになってる気がしないんだよなぁ……。やりたい職種に近い部分はあるものの、本当にやりたかった職種というわけでもないし。
会社では定期的に「あなたの仕事は巡り巡って誰かの笑顔につながってる」ということを教え込まれる。
だけど、正直そんな気はしない。その話は事実ではあるのだろうけど、そんな高尚なことにつなげて考えられない。
冷静に考えて、やりがいが見つからない中でよくこの仕事を続けられているよなあ、と驚く。
やりがいが見つからないまま、夜遅くまで残業を続けられるものだろうかと考え始めた。
自問自答しながら作成のための指示書を作るうちに、ふとこの作業を楽しんでいる自分に気づいた。
この仕事は広告の仕事でも何でもない。単に作業をしてもらう人に対する資料づくりだ。それでも、「どうやったら伝わるだろうか。どの資料を用いたら理解しやすくなるだろうか」と考えながら作業することは私にとって楽しいことなのだと気づいた。
地味な作業はダサいと思い、無意識にそういった作業が好きだと思わないようにしていた。でもこういう資料作りとかの地味な作業も好きなんだ。そういう自分を自覚した。
会社員の大半が地味な仕事をしてる。ドラマで見るようなプレゼンを日常的にする人は限られている。
やりがいの種は、実は身近なところにたくさんあるのかもしれない。
そんなやりがいを感じながら、来週からも頑張って働こう。