二元性を超えて
The Book of Life
2/23のテーマは
Beyond Duality
J.クリシュナムルティの言葉を、
一日一ページ 、365日分に編集された本
「The Book of Life」を 一日分ずつやさしく翻訳し、
気功的な補足や解説を添えています。
和訳&補足解説 天野泰司
和訳
あなたは、気づいていませんか。
悲しみで心が打ち砕かれている時に、
どんなことが起こっているかは、明らかではないですか。
それを作ったのは、他の誰でもない私たち一人一人です。
その責があるのは、他の誰でもない私たち一人一人です。
どんなに小さな「善」でも
私たちが作り出しているように、
どれほど甚大な「悪」も、私たちが作り出しているのです。
善と悪は私たちの一部でもあり、
また一方で、私たちから独立しているように振舞います。
貪欲と憎しみの心で
偏狭で妬み深い思考と感情にとらわれている時、
私たちは悪を増大させますが、
その悪が、向きを変えて、私たちに襲いかかってくるのです。
この善と悪の問題、この困った矛盾は
私たちが善悪を作っている以上、
私たちから離れることはありません。
望むこと望まないこと、愛と憎しみ、
渇望と放棄は、すでに私たちの一部です。
私たちは、この二元性をずっと作り続けていて、
思考も感情もそこにとらわれてしまっているのです。
思考と感情が、善とその反対にあるものを乗り越えていくのは、
その原因である渇望を理解した時だけです。
メリットとデメリットを理解することで、
善と悪の両方から解放されていきます。
相反するものが融合することはなく、
渇望が消えていくことで、超越されるのです。
それぞれの相反するものを、できるだけ集中して深く、
あらゆる意識の層において考え尽くし、感じ尽くすのです。
どこまでも思考をめぐらせ、感覚を働かせることで
渇望や時間による産物ではない、新しい理解が目覚めます。
世の中には邪悪なものがあります。
私たちが良いことに貢献するのと同様に、
その悪を助長しているのは私たちです。
人間は、善良な思いよりも、
憎しみの方と一つになりやすいように思えます。
智慧ある人は、善悪の原因を悟り、理解していくことで、
思考と感情を善悪の二元性から自由にするのです。
J.クリシュナムルティ 訳・天野泰司
善悪を超えて
NPO法人気功協会運営責任者 天野泰司
これは健康に良い、悪いというような考え方がたくさんありますが、
その主張の大部分は矛盾します。
100人いれば、100人それぞれの違う体があり、
また気候や環境、その時の心身のコンディション、
低潮・高潮のからだの波によっても、適う、適わないが必ずあるからです。
この人には良くても、別の人にはむしろ害になる。
今日は良くても、別の日には適さないというようなことが
無数に存在します。
だから、今の自分にとって必要なことを
その都度その都度、適切に選んでいくことが必要になり、
そのためには、「これは良い、これは悪い」という
ステレオタイプの健康法を信望するのではなく、
今の自分の心身の状態をありのままに感じ取ることが必須になります。
体が乾いていれば水を飲むことが健康法になるし、
多過ぎれば腎臓の負担になる。
だから、乾燥の強い冬にこまめに水を飲むと
美味しく感じ、体が潤って元気になるのに、
暑いからとがぶがぶ飲むと、重だるく疲れやすくなってしまうのです。
また、何リットルが良いと分量を決めて飲むと、
無理にでも飲もうとしたり、逆に控えたりしてしまう。
だから、自分の体に聞いて、
ちょうどよいだけ飲む。
そのために、身体感覚を育てることが必要になり、
感覚を十全に働かせるためには、
心身の余分な緊張を抜いて、ゆるむことが大切になるのです。