開発中止になったFFシリーズの思い出① ワンダースワン版FF3
●はじめに
「ファイナルファンタジー(FF)」シリーズの歴史は長い。
一作目が発売してから今年で34年。その間、本編のナンバリングタイトルだけでも15作品。スピンオフ作品やスマートフォンのタイトルも含めれば100作品近く制作されてきた。2017年にギネス世界記録認定された時点で87タイトルあったというから驚きだ。
しかし残念なことに、中にはギネス記録の一員となれなかったものもある。大々的に発表されPVやスクリーンショットが公開されていたのにも関わらず、開発中止となってしまったタイトルだ。
直近の例を挙げると、スマートフォン用の「FF11」リブート版が開発中止になったと報道されている。また「FF15」の元の企画「FFヴェルサス13」などは、未だに謎に包まれたストーリーの没案が語り草・考察対象となっている。
そんな日の目を浴びなかった幻のタイトル達に思いを馳せながら、複数回に渡って思いの丈を綴ってみたい。
●幻の「ワンダースワン版リメイク」
FF3を遊びたくてたまらかった小学生時代の俺は“FF3がワンダースワン(WS)でリメイクされる”という情報に狂喜乱舞し、とりあえず本体とFF2を同時購入して遊びつつ、上記のスクリーンショットを眺め首を長くして待っていた。
一応ファミコン本体も遊べる環境にあった(祖父が“ツインファミコン”を所持していた)が、当時は「中古屋でオリジナル版のカセットを探す」「通販を頼る」という考えまで至らなかった。そんな俺にとってFF3は、“どこのオモチャ屋や量販店にも売っていない、遊びたくても遊べない幻のゲーム”だったのである。
しかし、中々公式からの続報は出なかった。挙げ句の果てにはFF4の移植版が先に発売されてしまう始末。あれ、FF3は一体どこへ…?
俺たちファンの期待も空しく、WSはゲームボーイアドバンスの売り上げに押されたことで製造中止になってしまった。近年「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」「シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇」に登場して話題になったが時既に遅し。FF3はWSの製造中止と同時期に、ひっそりと開発中止となっていた。
●ニンテンドーDSで実現したリメイク
その後、FF3はニンテンドーDSでリメイクされた。こちらは開発中止の憂き目に遭うことなく、2006年に無事発売されている。
オリジナル版とは全く異なるゲームバランスや主人公4名のキャラ付け等で賛否両論あったようだが、このソフトは俺のお気に入りのRPGの一つであり、iOS移植版を含めると計4回はクリアしている。プレイ毎に使用するジョブを変え、全く異なるバランスでゲームを楽しめる点が好きだった。吉田明彦氏のイメージイラストや、低頭身でパタパタ動き回る3Dキャラクターの可愛さも良い。“冒険”や“ファンタジー”を感じさせるOPムービーと、そこで流れる新曲「悠久の風伝説」も非常に素晴らしかった。
しかし俺は心のどこかで、かつて待ち焦がれたWS版を忘れられずにいた。もし実現していたら、一体どのようなゲームになっていたのだろう…?
●「幻のリメイク」が蘇る?
さて、WS版が開発中止となってから約20年となる今年。突然以下のゲームが発表された。
FF1~6の共通規格リメイク「ピクセルリマスター」の一環としてDL発売された、ドット絵リメイクのFF3。多くのファンの方々が感じたであろう通り、これはある意味「蘇ったWSC版FF3」なのだと思っている。
プレイ中の「ティアリングサーガ」が中々終わりそうにないので、こちらを遊べるのはしばらく先になりそうだ。現在はSteamかスマートフォンでしか遊べないようだが、いずれswitch・PS4といった家庭用ゲーム機にも移植して欲しいものである。音楽に強度のアレンジが加わっているようなので、オリジナル音源・DS版音源に切り替えられる機能が付けば更に嬉しい。
※次回は幻のFF12スピンオフ「FORTRESS」か、携帯アプリとして開発されていた「FFアギト13」あたりを語る予定です。
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