試着室で思い出せなくなったら、もう本気の恋じゃないんだと思う
尾形真理子さんの「試着室で思い出したら、本気の恋だと思う」という言葉を試着室でふと思い出した。試着室の中で、誰も思い出せなくなった私は、もう恋愛をしていないのかもしれない。恋人と一緒にいるのは、そこに愛があるからではなく、別れの決め手がなかっただけに過ぎない。感情論だけの皆無に等しいセンスに飽き飽きした私は、明日あなたとさよならをする。
別れの決め手を探し続け、怠惰な気持ちで恋人と一緒にいる私は、誰がどう見ても残酷な女だ。たしかに少し前までは、あなたを思い出していた。そこに