梅雨とタバコとUSB
徹夜明けの気だるさだけが身体に残っている。七月上旬の暗い朝、梅雨は未だ明けず、もはや聴き飽きた雨音が窓の外から聴こえている。こんな日に外に出なければいけない用事を作ってしまった過去の自分を恨みつつ、玄関の扉を開けた。
「じゃあ、今までありがとう」
三年間付き合った恋人との関係が終わってから数週間が経とうとしていた。まだチャットアプリ上での会話の削除は出来ておらず、積み重ねてきた長い時間をあっけなく終わらせた通話時間14分42秒のログが、今も寂しく残っている。もう新しい恋人は出