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#音楽 記事まとめ

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楽曲のレビューやおすすめのミュージシャン、音楽業界の考察など、音楽にまつわる記事をまとめていきます。
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#Spotify

「洋楽離れ」をデータから検証する:日本だけじゃない? 変わる音楽の世界地図

皆さんは最近「洋楽」を聴いていますか…? ここ数年、音楽業界では「日本の洋楽離れ」が話題になっているようです。 確かに、日本のヒットチャートを席巻しているのはほとんどが日本の音楽かもしれません。一見すると日本独自の現象のようにも思えます。ただ、データから世界を見てみると、少しちがった風景が浮かび上がってきます。 実は「洋楽離れ」は、日本だけの現象ではないようです。世界中で、いわゆる「洋楽」のヒット曲、特にアメリカのポップミュージックヒット曲の直接的な影響力が徐々に変化して

J-POPの"日本以外での聴かれ方"を可視化してみる

Billboard Japanさんが最近集計/発表し始めた、Global Japan Songs excl. Japan(日本以外の世界J-POPチャート/当研究室訳)というチャートがあります。 ここに登場するアーティストは、いったいどの国でどれくらい聴かれていることによってチャートインしているのでしょうか? それを推しはかるため、YouTubeのデータを使って、各アーティストの楽曲視聴回数の日本を除いた上位99ヶ国を対象に、直近60日間の国別視聴回数を集計し、横並びで可

「籠り」は終わり、外へ跳び

1ヶ月半ぶりくらいのnote。 この間、色んなインプットとアウトプットを繰り返した。最近になってそろそろ、今感じていることを書いてもいいかなと感じ始めた。多分今日は、この1ヶ月半で知り得た知識の話と、それに伴う自分の感想、今後の展望みたいなことを語ることになるだろう。 それでは。 アーティストが集まる場を作って前回(と言っても1ヶ月半も前のことだけど)のnoteで、銀座にある「アロフト東京銀座」のライブプロデュースを本格的に始めると書いた。 毎週金曜日(7月は土曜日だ

YouTubeデータで「世界各国のヒットチャート流動性」を視覚化してみる...日本は平均より上

YouTubeは日本で最もメジャーな音楽メディア 今年の2月9日に、Spotifyの一年分のチャートデータを元に、世界各国のヒットチャート流動性を分析しました。 その結果に関する考察は、同じデータセットから行った世界各国のヒットチャート類似度の分析をしたnoteでも言及させていただきました。 Spotifyデータからみるかぎり、日本のヒットチャートの流動性は72ヶ国中、下から3番目に低かったのですが、それはあくまで「日本のSpotifyユーザーのリスニング行動が示す傾向

成熟期に入った世界の音楽ストリーミングサービス。「次のより良い仕組み」への議論が始まる

Spotifyの事業報告書に基づくMBWの記事  Music Business Worldwideの記事の紹介と解説です。  Spotifyの楽曲再生数をアーティストの所属別に見ると、3大メジャー(ユニバーサル、ソニー、ワーナー)とMerlin加盟社分を合わせて75%となり、過去5年間で12%のシェアを失っているという内容です。すなわち、従来型のインディーレーベル=Merlin加盟社以外のDIY系のアーティストの比率が25%になったという意味になります。  これを、デジタル

2023年ニューカマー!今年期待のインディーズバンド厳選5組を紹介

あけましておめでとうございます! いつも記事を読んでくださってありがとうございます。 HOLIDAY! RECORDS の植野秀章です。 今回は昨年も好評だった企画です。 昨年出会ったバンドの中で、 今年さらなる飛躍が期待されるニューカマーを5組ピックアップしました!  昨年と一昨年の記事はこちら Summer whales 昨年、一番衝撃を受けたバンドかもしれません! 2ndシングルの「Driveway」で一気に好きになりました。 2022年の7月、ほんとつい最近結

今月のSpotify Japanese Hip Hopベスト作品 -2022/12-

すっかり新年明けて久しいですね。取り上げる記事の内容は昨年末の内容ですが、今年もよろしくお願いします。 2023年一つ目の前段では、BACHLOGICの立ち上げたレーベル"ONE YEAR WAR MUSIC"の第一弾アーティストとしてシーンに華々しく登場したSALUです。 2012年の1st AL『IN MY SHOES』以降毎年自身名義の纏まった作品リリースに加え、ミックステープや SKY-HIとのコラボレーションアルバム制作など活発に活動し、2018年にはEXILE

今日気持ちよかった音楽: Puma Blue - Hounds

2023年1月現在、Spotifyで59万の月間リスナー、一番の人気曲は2,000万超え再生と、去年秋まで知らなかったことが恥ずかしいPuma BlueことJacob Simon Allen。 近年、多くの才能を輩出しているサウス・ロンドン出身という経歴は、前回書いたNilüfer Yanyaとも同じで、同地からはTom Misch、Arlo Parks、Black Country, New Road、black midi、etc……。「そうだったんだ!」という人気者が続々

2022年 お気に入りのアルバム、EPを10作品選んでみた。

今回は前回の「2022年印象に残ったニューカマーこの一曲」に続き、 2022年にリリースされた国内インディーズ・アーティストの アルバムもしくはEPで その中でもHOLIDAY! RECORDS で販売した作品に絞って紹介。 今回も特に順位は付けずに10作品、簡単に紹介していきます! ちなみに昨年の10選はこちらからどうぞ。 Sundae May Club / 少女漫画 僕の中では帝国喫茶とともに、SUNNY CAR WASHのバトンを引き継いでる感覚がある。素晴らし

酔うなら酒でも過去でもなく、未来に。

そもそも、どうして「飲む = お酒」なんだろうって、20歳から今に至るまで生きてきた。お酒が飲めないだけで、「あー、そうだんだ。」という言葉の後に、無言の疎外感を感じてきた。 他人が好きに飲酒していることは、別に嫌じゃないそういう空気を作られることが、本当に嫌だった。 居酒屋に行って、烏龍茶を頼みながら店員さんに「ウーロンハイって言って僕にください」みたいな事を、何度も言ったことがある。 どうして、彼らが楽しむために、僕自身が飲んで気持ち悪くなって、トイレに籠らなくちゃ

フェミニズムと音楽 #3│創作者としての苦悩と喜び │Florence+The Machine「King」&「Free」

 今回はフェミニズムと音楽第三回目として、Florence +The Machineのアルバム『Dance Fever』から 、女性として生きることの葛藤と創作者の苦悩を歌った「King」、自己表現を通じて不安を乗り越えることを歌った「Free」を紹介していきたい。 Florence + The Machine「King」 Florence +The Machine は、女性ボーカリストのFlorence Welchを中心としたイギリス出身のバンドとして知られる。ソウルフル

Spotifyデータで昭和歌謡とボカロ曲のテンポを比較してみる

カラオケに行くとOfficial髭男dismさんやKing Gnuさんの曲を歌おうとして途中で諦めている御人をよく見かけます。難しいですもんね 一昔前は、スピッツさんの曲を入れて、サビのところで喉が崩壊している方を見かけてものです。 でも同じ難しい曲と言っても、かつての難しさは、主にキーの高さを要因としていたように思えます。 一方、近年の楽曲の難しさは単純に「キーの高い曲」というわけではないように思えます。 キーの高さはもちろん、テンポの速さやメロディの上下の激しさ、

ボカロ曲の長期変化をSpotifyデータで可視化してみる

「初音ミク」誕生は2007年8月31日。それから15年が経ち、ボーカロイド楽曲はどう変化しているのでしょうか? そこでSpotifyのビッグデータを使って、「vocaloid」に分類されている楽曲の長期時系列変化を可視化してみました。 すると浮かび上がってきたのは、楽曲が徐々に短くなる一方、歌詞の言葉の数は増えてきてるようだ…ということなのです。 YOASOBIさんのAyaseさんに代表されるようにボカロP出身のアーティストさんがポップシーンでも活躍されることが増え、ボ

Spotifyしか愛せない…!Spotifyに乗り換えたい人の背中を押す偏愛note

皆さまお久しぶりです!中村です! 最近、Spotifyでの音楽体験で本当に感動を覚えたのをきっかけに、Spotifyというプロダクト、サービスへの愛が留まることを知らないので、今の気持ちをちょっとまとめてみます! (案件でもステマでもなくただの愛です。) 肌感的に周りの友人の音楽サブスクユーザーはApple60%、Spotify30%、Youtube Music・Amazon Music・その他10%といった印象です。 敬虔なSpotify信者である私中村は、Apple