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伝統芸能 記事まとめ

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伝統芸能について書かれた記事をまとめていく公式マガジンです!主にハッシュタグ「#伝統芸能」が付けられている記事を自動で追加し、紹介していきます。
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2021年7月の記事一覧

能の小書(こがき):能の特殊演出について

能の小書とは特殊演出の名称です。番組の演目名のところに小さな文字で添え書きされることから「小書」と呼ばれています。 (国立能楽堂8月公演 詳細はこちら) 流派ごとに小書の違いがあり、すべての流派の小書を合わせると750種ほどあります! 扮装や作り物(舞台装置)、人物の詞章(セリフ)やお囃子の変更など様々な演出があります。 今回は、舞台を見ていて比較的わかりやすい小書をご紹介しますね! 【扮装に関する小書】装束や能面、鬘(かづら)など、扮装が変わる小書の紹介です。 ◆

世阿弥の「風姿花伝」を現代の仕事や生き方に通じるエッセンスとして翻訳し、能に楽しく興味をもたせてくれる名著

時の試練を経た古典は、その多くが現代に通じる、 いえ、普遍的な人間の営みに通じるエッセンスを持っているので、 読み手が生きてきた中で得た必須の概念に響くのだと思われます。 もちろん、歴史的に繰り返し起こる事象に対する知恵、 未来予測としても有益なことは言うまでもありません。 今回は、特に新刊ではありませんが、 自分の生きる国の文化にもっと関心を持っていきたい、という (まだ持っていなかったんかい、といわれてしまいそう) 気持ちから、土屋恵一郎 著、「世阿弥 風姿花伝」を見

宝生能楽堂インターンシップ2021夏季募集

<開催期間> 2021年8月17日(火)~20日(金)、22(日)※ <講座時間> 10:00~12:00/昼休憩/13:00~15:00        ※22(日)はイベントのため12:00~16:00予定 <場所> 宝生能楽堂(三田線水道橋駅、JR総武線水道橋駅) 幅広い分野の講座を受講し、舞台芸術・文化活動に関わる仕事の“実際”を学びます。 インターン期間終了後も、希望があれば各自の志向に合わせたサポートを行います。 ■能楽、劇場運営、アートマネジメント、学芸員、日

第5回 シテのこと①

皆様大変ご無沙汰しております。 編集者の都合上更新が滞ってしまい申し訳ありませんでした。 ここからはペースを崩さず更新して参りますのでよろしくお願いいたします。 梅雨も本格化してまいり気だるい暑さが日々続いておりますがそのような時こそ涼しい場所などで伝統芸能に触れるのもまた一興かと思います! 今回からは「シテのこと」と題しまして今までの能楽の歴史や基礎知識等の話よりもより濃く、深く掘り下げた内容を紹介して生きたいと思います。 進行役は前回に引き続き今村委員! 今回からは動

¥250

⑩【佐野登 先生】宝生流能楽師をもっと身近に。

「まだ見ぬ100年、200年先の誰かのために」 7月月浪能で「藤栄」のシテを勤める佐野登先生。「未来につながる伝統」というテーマを掲げ、伝統と革新を体現しながら活動を粛々と続けていらっしゃいます。能舞台で演じることはもちろんのこと、その活躍の場は教育現場や地方の小さな町の文化活動の場であったり、とにかく幅広いフィールドをお持ちです。 能を見たことがない、知らない人に向けて、能を今に伝え未来につなぐ、能の可能性を広げるアイディアやモチベーションの源泉とは?そのルーツをたどるべく

尺八と再び向き合う 〜『割り切れぬ想い』について

*この記事は全文公開有料記事です。もし気に入ってくださった方はフォローや記事のシェア、または当記事をお買い求めください。 2021年7月2日、The Shakuhachi 5という活躍中の若手尺八奏者5人によるグループの演奏会を聴きに行きました。尺八アンサンブルによる現代の作品を紹介する活動を積極的に行なっているグループで、その活動に共感しています。この公演では普段の公演と違って、各メンバーが独奏曲を演奏し最後にアンサンブル曲を一曲演奏するもので、それぞれの演奏家の個性を楽

¥100

雅楽絵巻『鳥獣戯楽』 楽曲解説その2

楽曲構成と演奏・鑑賞の手引き ◾️序 深山にて・ 竽:高山の峰を霧が上るように Ø 気流 ・ 笙:天上の鳥・迦陵頻伽の鳴き声。時に翻って宙を舞う Ø 鳥瞰の視点で物語の展開を誘導する。ときおり動物たちの戯れにフォーカスする (手塚治虫「火の鳥」は鳥獣戯画の視点か?) ◾️第一景 水遊 Mizuasobi横笛 排簫 箏 方響 ・ 箏:川の水源に近い岩場の渦巻く水流からはじまる。 Ø次第に下流に向かい流れが滑らかになる様子をアルペジオの変化で表す。 ・ 笛と排簫:川遊びする

⑨【水上優 先生】宝生流能楽師をもっと身近に。

「何か人がやっていないことをしたい!」 と言って能楽師になった父が 息子のために書いたノートの中身とは? 昨年2020年3月に延期となりました五雲能が約1年半越しに上演されます。今回、インタビューさせていただいたのは「葵上」を勤める水上優先生。お父様が能楽師となるまでの貴重なお話や、ご子息との共演のお話など、「親子」がテーマの内容となりました。 ーー優先生が「受け継いできたもの」は何ですか。 父が書いた子方の型付ですね。私が子方になったときに、父が子方の型(動き)をノート

雅楽絵巻『鳥獣戯楽』 楽曲解説その1

正倉院復元楽器のための 雅楽絵巻『鳥獣戯楽』(2017)の創作にあたり、楽曲解説として記したものです。楽章ごとの詳説はその2で。 伶楽舎委嘱作品 雅楽絵巻『鳥獣戯楽』-正倉院復元楽器のための-作曲:東野珠実  ご存知、鳥獣戯画(京都高山寺所蔵)は日本最古の漫画とも言われる異色の絵巻物です。描かれた時期は平安から鎌倉期(12 世紀から13 世紀)とされ、雅楽が醸成した時代と重なります。擬人化された動物たちの立居振舞いは、山水の遊びから宮中行事まで、中世日本の風俗を生きいきと

今どきの鑑賞方法(3):字幕サービスを活用した能の鑑賞

檜書店は数年前から能楽公演の字幕制作に取り組んでいます。 多言語字幕システム「能サポ」についてはこちら 公演の進行に合わせて手元のタブレットやスマートフォンに字幕が表示される、というもので、詞章(セリフ)、解説、多言語、と最大5チャンネルの表示が可能、公演中もチャンネルの切り替えは画面をスライドするだけです。 また、開演前や休憩中は演目のあらすじ・見どころをスクロールして見ることもできます。 (「能サポ」の紹介動画) 初心者だけでなく、障がいをお持ちの方、外国の方に

さぁ、始まります!2021年⑨月⑤日(日)第十回定期演奏会『魁』

こんにちは!! 和太鼓部「鼓舞猿」です。🐵 お久しぶりの投稿です。今回は重大なお知らせがあります! お知らせ 我々はこの度、2021年9月5日(日)に福岡県福岡市にあります、福岡市民 会館にて第十回定期演奏会『魁-sakigake-』を開催させていただく運びとな りました。 定期演奏会ってどんなもの?定期演奏会ってどんなもの?とお思いの方もいらっしゃると思います。 ↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑昨年の定期演奏会「烈」の様子です!🔥 我々にとって定期演奏会とは「他の何

#勇気の芸術 9 『バカじゃできない、のウソ』

昔から、芸の世界を志す人の傾向を見定めて、 「バカじゃできない。利口じゃやらない。中途ハンパはもっとダメ。」という言葉があって。 こういう格言は今、刷新できるというお話。 バカか? お利口さんか? 中途ハンパか?という"問い"が当てはまらなくなってしまった。 今は、こういった"問い"の不適合がたくさん出てきている。 「バカ」は二種類に分かれる。 一つは、自分の限界を限界と思わずに突き進むことができること。強い。 もう一つは、学ぶことをやめてしまった状態。 「お利口

第二回 能「春栄」のみどころ(1)

場面転換の鍵としてのワキ方今回のお話は、最初の演目である能「春栄」についての解説です。 「春栄」が演じられる華宝会のオフィシャルサイト・チケットのお申し込みはこちらをご覧ください。 あらすじはこちらからご覧いただけます。 ー能は、物語や和歌、仏教からの引用や秀句を用いた、ミュージカル的な要素が高い曲が多いですが、今回の「春栄」は全編通してシテ・子方・ワキの会話的な部分が多いですね。現代の演劇に近い感じがします。 能弘さん: 会話劇ですね。イメージ的には現代の演劇に近いかも