【神田カレースタンプラリー(3)】タイレストラン メナムのほとり 神保町テラススクエア店
2024年8月下旬
8月末。派遣で働き始めて1ヶ月が経とうとしていた。
長い「空白」期間を経て、私にはやっと実務が割り当てられた。
一方、Aちゃんには何の指示も無かった。
初回契約期間は1ヶ月。私は継続、Aちゃんはそこで契約終了とのことだった。
もちろんAちゃんが希望したわけではない。切られたのだ。
納得がいかない。Aちゃんがなにをした？なにもしてない。同じく私もなにもしてない。なぜAちゃんだけ？
まだなんの仕事もさせてもらってないのに、一体何をジャッジされた？
色々原因を考えてみたが、どれも「だとしたらそもそも面接で落とすよね」という答えに行き着く。
適正があったから契約に至ったはずだ。
その後の働きはわたしもAちゃんも同じだった。特になにもしていない。
朝の15分のミーティングに出席し、日報を書くくらい。私はどちらも見ているが、Aちゃんの態度も日報も至って普通だった。
わからなすぎる。怖すぎる。Aちゃんを排除した人間がこの会社にいる。
狼狽える私に対し、Aちゃんは清々した様子だった。
どっちにしろ、こんなおかしな会社にずっといたらストレスがたまるだけ。今辞められてむしろ良かった。それがAちゃんの考えだった。
最後のランチ
本来ならば契約期間はまだ残っていたが、切られるとわかっているのに「空白」の時間を過ごすのは無駄でしかない。
Aちゃんが派遣会社を通じて就業終了の前倒しを申し出たところ、雇用企業側の了承が得られたということで、8月末にAちゃんの最終出勤日がやってきた。
最後のランチはせっかくだから有名なお店に行こうと計画していたのだが、行ってみると大行列で断念。
近くにある別のお店に予定を変更。
神保町オフィススクエアというオフィスビルの中にある「メナムのほとり」というタイレストランにした。
1階の外に面したエスカレーターでビルの2階に上がる。
タイのリゾートを思わせる爽やかな雰囲気のお店。
通された席は窓際、狭めだが居心地の良いテーブル席だった。
二人とも「ポンカリーセット」を注文する。
「ポンカリーってなんだろうね」と言いながら、わからないまま注文。
今メニューをよく調べたら、「ポンカリーセット」の下に「Stir-Fried Seafood with Curry」と書いてあった。直訳するとシーフードのカレー炒め？
そう言われると、粘度が高く、カレーかと言われるとちょっと不思議な、初めての料理だった。
味は甘めで、スパイスとシーフードの旨味があり、大好きな味。
ライスがタイ米なのが嬉しい。
サラダとトムヤムクンがセットで1200円。
このトムヤムクンも抜群に美味しかった。(こちらはしっかり辛味あり。)
お互いにお別れの贈り物を交換し、Aちゃんとの最後のランチが終わってしまった。
そうですよ、こんな意味わかんないとこ辞めた方がいいですよ、とか言ったものの、私はこれからもここで働いていく。
この日、私は初めて神田カレースタンプラリーのスタンプを集めることができた。
記念すべき1個目。
AちゃんはもちろんスタンプラリーのWeb登録なんて面倒なことはしなかった。
私のスマホ画面上のスタンプと、おまけでもらえたキン肉マンカードを見て「へ〜」と言った。
もしAちゃんがずっと一緒に働く未来があったとしても、スタンプラリーは絶対一緒にやってくれなかったと思う。Aちゃんは、自分が興味ないことはやらない。
これから先、Aちゃんのいなくなった会社で自分がどのように働いていくのかわからないが、昼にカレーを食べることだけは決まっている。
ひとまずそれを救いとしよう。
この日ランチしたお店
タイレストラン メナムのほとり 神保町テラススクエア店
🍛神田カレーグランプリ タイレストランメナムのほとり神保町テラススクエア店
【いただいたメニュー】
ポンカレーセット 1200円