【神田カレースタンプラリー(37)】スマトラカレー 共栄堂
2024年11月下旬
先週すごく寒かったのが嘘のように、また暖かくなった東京。
昼間は20度近くまで気温が上がると聞いて、上着を持たずに外へ出る。すごくいいお天気。
今日のランチはずっと気になっていたお店「スマトラカレー 共栄堂」へ行ってみることにした。
残り5店舗で神田カレー街食べ歩きスタンプラリーがマイスターの節目を迎えるので、行ってみたいお店にはなんとしても行っておかなければ。
気になっていた理由はこの看板。
このおどろおどろしいフォント。
この階段を降りたら別の世界に繋がっているんじゃないか… 期待しながら階段を降りる。
恐る恐る店に入ると元気な店員さんたちが笑顔で迎えてくださり、窓からの光も入って想像の100倍明るい雰囲気。ビビる必要なかった。
店内は広いが老若男女様々なお客さんで大賑わいで、全てのテーブルが埋まっている。一人掛けの席は無さそうだ。
店員さんに案内されるままついて行き、通されたのは店の一番奥の角に配置された変形テーブルだった。
二等辺三角形の3つの角を切り落として六角形にしたような、ちょっと変わった形のテーブル。
ななめ向かいの辺にスーツのおじさんが一人座っていた。
「相席でお願いします」と店員さん。
そういえば、30軒以上のお店に行ったが相席は初めてだった。
もっと隣と近いカウンター席もあるので、この広さで相席なら全然快適。
おじさんに会釈をして座らせていただく。
着席後間も無く、すぐ来るセットが運ばれてきた。
お水、おしぼり、スプーン、レードルスプーン、そしてコーンスープ。
メニューは…と聞くと、「壁側のソファの背もたれの上です」と教えてくれた。
見渡すと、どの席も壁側の背もたれの上にピンク色のメニューが立てかけてある。気づかなかった。
同時に、周りの男性がドームのような山盛りのごはんにカレーをかけながら食べているのを確認。あの量はやばい。
小まめにお水を注いで回っている店員さんを呼び止めてポークカレーを注文。
ごはんは何グラムくらいですか?と聞くと「300ちょっとありますね」と店員さん。
半分でお願いした。
コーンスープ嬉しいなと思いながら口をつけてみる。熱々だが飲める。優しい味。
メニューに書いてある「- 共栄堂の歴史 -」を熟読。
明治の末、行き詰まった日本から脱出して南方雄飛を志した伊藤友治郎氏が日本に持ち帰ったスマトラ島のレシピを受け継ぎ、日本人の口に合うようアレンジしたのが共栄堂のカレーらしい。
そういえば、30店舗以上行ったがインドネシアにルーツを持つレシピのカレーを出すお店も初めてだ。
運ばれてきたのは黒いカレー。
早速ごはんにかけてみる。
やっぱり黒い。
早速いただいてみると、独特の香ばしさが鼻から抜けていく。
黒さの秘密はこげ?炭?普段の食事には無い苦味。
上の看板の隣に「ランチタイム・混雑時はお子様入店不可」の張り紙があったことを思い出して納得。お子様にこの苦味は早すぎる。
これまで食べたどんなカレーにも似ていない個性的なカレーである。
意外にもサラサラしていて、脂っこさは無い。
ごはんとの相性は最高。
ごはん300gでも食べれただろうなと後悔する。
ポークはしっかりした塊を5個観測。プルプルほろほろの食感がおいしい。
自分でも驚くほど一瞬で食べ終え、コーンスープも飲み干した。
甘みのあるやさしい味のコーンスープを飲むと、カレーは結構スパイシーで尖った味だったと気づく。
これまでに経験したことが無い味に思わず脳が驚くような美味しいカレーだった。
食べている間ひっきりなしにお客さんが訪れ、男女関係なくみんな相席を強いられていて面白かった。
私が店長だったとしても、これだけ人気があったら絶対相席にする。
惚れ惚れするオペレーションだった。
相席していたおじさんより早く食べ終えた私は、再び会釈して席を立った。
ゆったり過ごした気がしたが、会計して店を出るとまだ昼休みが30分以上残っていた。
多分過去最短の滞在時間。
スマトラカレー共栄堂の不思議な世界にまだ魂が漂っているような気分になりつつ、古本屋さんをちょっと覗いて仕事に戻った。
この日ランチしたお店
スマトラカレー 共栄堂
【いただいたメニュー】
ポークカレー 1200円