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本の感想「新NISAという名の洗脳」

森永拓郎さんの本です。
森永さんはすい臓がんのステージ4だそうです。でも活躍されています。
経済アナリスト、大学教授

タイトルをみたとき、政府が呼びかける「貯蓄から投資」を思い出し、きっと実際はギャンブルだからやめなさいという内容かとおもいました。
でも、それだけでなく、森永さんが考える 生き方 についても語られていました。この生き方(ライフスタイル)に感動です。

最初は投資についての話しです。

投資神話の否定
よくいわれる下記について、理由を明らかにしてすべて否定されている。
・年金の不足は投資で補う
・分散投資でリスクは回避できる
・長期積立投資で利回りは預金を上回る
・国内よりも成長率の高い米国株に投資すべき
・円安の原因は何か
・専門家に任せておけば後はほったらかしでよい
・株価が下がったときこそ投資のチャンス

円安のところについて(ちょっと否定というのがそぐわないので説明)

まったく知らなかった言葉があった → 購買力平価
IMF(国際通貨基金)が2024年の世界経済見通しの中で明らかにしている
ドル・円の購買力平価は、1ドル=91円
つまり対ドル為替レートは、本来90円程度に落ち着くべき
ただ、現実の為替レートが購買力平価と大きく乖離しているのは投機が存在するから
いずれ1ドル=90円にむけて減価していく、だからアメリカ株に投資する新NISAはだめとのこと

ビッグマック指数も同じようなものです。
世界のどこでも同じような材料でつくられるため、本来どの国でも1つあたりのコストはほぼ同じということですね。
現在は下記の値らしい(ネットから)
アメリカ 5.69ドル
日本  3.04ドル

マクドナルドメニューをみると480円ですね。

◆豊かな老後を築くライフスタイル◆

6つのスタイルを提唱されているが、共感したのは下記

・生きがいのためだけに生きる
 大学教員になって20年、その間学生に言いつづけたことは 「夢を持ってはいけない、持つべきものはタスク(課題)だ」
 いつかできたらいいという夢は手付かずで終わることが多い、とにかく興味があったら「今やる、すぐやる、好きなようにやる
 ほんとうに、そう思います。この歳になると健康でいられる時間が残り少ないはずなので、今でしょ!

・教養を身に着ける
 新たな生きがいをみつけるためには、その前提として、知識と興味という「教養」が必要
 そうですよね。世の中知らないことがあふれている。

・教養とアートは生前整理が不要
 アートとは、絵画、音楽だけではない。小説、俳句、ダンス、などクリェイティブを含むあらゆることがアートだ。
 そうですよ。写真撮影だってアートですね。
 作品が世の中に残されていく。昔とちがって写真データは小さなHDDに大量に保管できますしね。

・オープンな人間関係を築く
 現役時代に培った人間関係を大切にして生きていくべきという話をきくが、真逆だ。
 そうですね。付き合いが増えると自分の貴重な時間が減ってしまう。
 森永さんは友人が一人もいないのだそうです。

 ほかの本で読んだことですが。
 ダーバン数というものがあり、一人の人が維持できる友達は最大150人というものです。もっとも親密な友達には、自分の時間をたくさんつかってそれを維持するのだそうで、だから親密な友達は数人に限られる。

・何も持たずに生まれ・何も持たずに死んでいく
 大学の授業でうけた日本史の話しがとても興味深い、というより、同感です。
 そのまま引用(下記)。

 「時代の転換期で生活に苦しむ民衆の現世を救うため、宗教家は念仏を唱え続けるだけで、あの世で幸福になれると説いた。あの世なんて存在しない。そのことを深く認識しながらも、あえて民衆に対して、あの世の存在をアピールし、現実には存在しないあの世での幸福という希望を抱かせることによって、現世でのいきがいを与える。そのウソをつくという決意が、「悟りを開く」ということだ。」

 
 他の本で読んだことですが。
 人の意識の正体は脳幹に存在する電磁波なんだそうです。
体が息をしなくなりその電磁波を維持できなくなったら、あとにはなにものこらない残念な気もしますが死後の世界があるわけないんです。


「自由を享受できる最後のチャンスである老後は、カネやモノや人間関係に縛られず、自分の幸福だけを追求する人生を送るべきだ」



これは本文最後に太字でかかれていたことです。
そうですよね。

この記事を読まれている方の年代によって、受け取り方は違うかもしれませんが、リタイヤした方々カタガタには本書の内容は共感できる部分が多いとおもいます。


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