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エチオピア(中煎り)がもたらす、華やかな酸味[#レトリカル食レポ]。

カップを上げてひと口ふくめば、
しっかりと四隅まで行き届いた
華やかで甘酸っぱい味わいが舌を満たす。

そのまま鼻のそばにもっていくと、
鼻腔をしっとりと、
ほのかな酸味に誘う香りが、包む。

そしてつぎのひと口では、
舌先に青りんごっぽい味を感じたかと思うと、
同時に舌の奥では酸味が際立ち、
ふくみつつ回すと、とろりと波打つ。

すると、ラズベリーテイストの酸味が、
舌の上で飛び散るかのように
勢いよく広がったかと思えば、
やがて
ゆっくりとやわらかく変化しながら、
舌の横からすべり込んだのは、
ライチのような優しさ。

酸い余韻を繰り返し味わい、
醒めてくるにしたがって、いつしか
それは、ゆっくりと浮かび上がる、
キャラメルっぽい風味に変わる。

エチオピアの味わいの素晴らしさを
店主に伝えると、
「2020 年の品評会で1位になった」
とのことで、調べると
第 1 回のエチオピア カップ・オブ・
エクセレンスという大会で優勝を果たした
「ニグセ・ゲメダ・ムデ農園」の
豆(中煎り)であった。


田園都市線「鷺沼」駅近くの
「ザ・モダンコーヒー サギヌマコーヒーバー」、

1万kmの距離を超えた、至福の出合い。


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