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およそ甘みの全てに舌で甘えるかのように、「キャラメルバナナケーキ」。‪#レトリカル食レポ

フォークで持ち上げて口に持っていくと、
ほのかなバナナの匂いが鼻腔を包む。
バナナの果肉とキャラメルクリームが
じんわりと濃く染みわたったスポンジは、
くにゃりとした程よい弾力と共に、
バナナともキャラメルとも違う
濃厚な甘みをじゅわりと広げたかと思うと、
一気に口中にあふれる甘美なうねりとなって
味覚に押し寄せ、
私は、甘みに甘えるかのように応える。

ふと、舌先にまろやかな
温かみにも似た
甘さがふれたかと思うと、
上あごを、一気にまるみのあるふんわりとした
蜜のようなうっとり感で塗り替え、
舌の横から濃厚なキャラメルの渦が
わき上がれば、
舌の根元には濃密な甘露が
噛むほどにしたたる。

目をつぶる陶酔のなか、
舌の上を時折、
一本に凝縮された甘い
官能が横切る。

                                       
江ノ島電鉄線「由比ヶ浜」駅、
改札を出て右へ数分歩いた左側、
「クローバーリーフ」

そのどれもが、
これまで舌が覚えていた
スイーツの基準を変える。

※写真は見出し画像を含め、我が家で撮影しています。


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