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「甘渋」と言いたいような、とろりとした抹茶のほのかな甘みを舌で愉しむ。#レトリカル食レポ。

美しく泡立つ抹茶緑を
たっぷりと口にふくむと、
やわらかい温もりのような
渋みが口いっぱいにひろがる。
舌先に、とろりとした「甘渋」を感じた瞬間、
そこから舌の奥へ
抹茶をすべらせてゆけば、
濃い苦味が優しく包まれたような
渋緑の抹茶味が、
とろとろと喉へと流れる。
       
濃厚な栗甘マロンペーストが
硬めの生クリームを押し上げる
モンブランを
前ぶれなく放り込むと、
抹茶の口が静かに受け入れて
栗甘を鮮やかに際立たせたかと思うと、
渋みは舌に立つように変わって、
少し舌の裏がわで味わうように
転がせば、舌の両脇から
奥へ、ふっくらとした
甘渋がふんわりとひろがる。
やがて栗と抹茶の
ほっくり甘と、
とろり甘渋が、
味のマーブルをつくり、
濃緑の底で
目も口もうっとりと、
とけゆく。

神奈川・小田原
「菜の花・ムー ンカフェ」の朝、
月のみちかけのように
ゆっくりとした時が流れる。

こんなインテリアの下で。スタッフはいまテキパキと女性ひとり。






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