ダイエットって何なの?
と不思議がっていたのは、
元サッカー日本代表で、
現在は日本酒や日本文化の裾野を広げる
活動を展開する中田英寿さん
(先月の『VOICES FROM NIHONMONO』)。
「自分の体の心地よい状態を
つくっておけばいいだけ」
と体重維持の方法を語っていたが、それは
体が重いと感じたら運動すればいいという
至極当然の理屈だ。
であるのに人はなぜ、わざわざ
「ダイエット」を試しまくるのか。
■心地よい体重を維持するためのステップ
やっぱりそうなんだ、と
大学時代にボクシングをやめたころの
体重以下を維持している私も思った。
「自分の体の心地よい状態」を維持する。
それはつまり、
「体が重いな」という
心地よくない感覚に襲われたら
運動(あるいは食事のセーブ)するという、
単純にこれだけのことで叶う。
*
この、体が重く「心地よくない」感覚は、
人間生活を送りながら避けるのは容易でない。
好きなものが出たら、
つい食べ過ぎ飲み過ぎをしてしまう。
そこで、
なるべく心地よい体重を維持するために
私は、つぎのようなステップを踏んできた。
【心地よい体重を維持するためのステップ】
(1)毎日体重を測る
→そうすることで、前日何をいつ食べたかという食生活と
体重の増減の関係が分かる(つまり、“自分が”いつ何を食べると
太りやすいか、というデータだ)。
(2)(1)で“自分の体重が(他人のではない)”朝・昼・夕の
どの時間帯の食事に影響されるのかという傾向を知る。
(3)(2)の傾向がつかめたら、体重増につながる
食習慣を止め、体重増につながらない食習慣を実践する。
→それでも体重が増えてしまったら、その後の食事をセーブし運動する。
また心地よい体重に戻ったら、体重増につながらない食習慣に努める。
寝る前にたくさん食べると太る、というのが定説だが、
“私の場合”、夕食をたくさん食べた影響というのは
あまりない。多少体重が増えてもすぐ戻る。
一方で、
昼食に油っぽいものや食欲以上の量を食べると
驚くほど体重が増え、しかもかなりの
努力をしないと戻らない。
したがって、
私の「心地よい体重を維持する食習慣」
は、
昼食は低カロリーなメニューか量を控えめにし、
それでも「体が重いな」と感じたときは動く、
家事でも散歩でもいいから、普段より動く、
この繰り返しだ※。
これで大学時代の体重以下を
何十年もキープできている。
※あくまで私個人に合った方法です。
■「自分の体の心地よい状態」とは?
そこで、「自分の体の心地よい状態」とは何か、だ。
ちなみに私の標準体重(kg)は
「身長(m)×身長(m)×22 」
という一般的な計算式にあてはめると62kgだが、
「自分の体の心地よい状態」は
59kg~60.5kg。この範囲を逸脱すると、
体の重さ、動きの滞りを感じて“心地よく”なくなる。
心地よくないから、心地よい状態に戻したい、
そうすれば心の状態ももちろん、
よくなるから気持ちいい。
という、ごく自然なサイクルが繰り返される。
つまり、一般基準で決まる標準体重や
好きなタレントの体重なんかではなく、
あくまで自分にとって心地よい体重を
求めるのか、求めないかが原点になる。
■ダイエットって何なの?
もし“ダイエット=痩せる”と考えていたら、
自分が心地よいかどうかではなく、
無意味に痩せることだけが目標に
なっているということだ。一方、
「現在の体重が太り過ぎで心地よくない」
と感じているなら、
少しずつ心地よい体重を目指す方が、
心身にとってよい状態につながるはずだ。
同番組にゲスト出演していた冨永愛さんは、
中田さんのダイエットの流儀を認めながら、
「心地よい体重」は、
「自分の体とよく向き合えば分かる」
と同調されていた。
つまり、
「自分と向き合って」
自分を知ることが第一なんだ。
※私の場合、それが自分の体重の傾向を知る、
ということだ。
*
だからダイエットを単純に痩せることから解放しよう。
自分と向き合い「自分にとって心地よい体重」を探し、
「心地よい体重を維持する食習慣」を楽しく実践する。
あなたがもし今、ダイエットで苦しんでいるとしたら、
目指している体重が心地よいのかどうか考えてほしい。
「自分にとって心地よい」体重について、同番組MCの
唐橋ユミさんは、「なかなか分からない」と言ったが、
それは、自分が持っている感覚と向き合っていないか、
もしくは、今の状態が既に心地よいということなのだ。
そんな人は、無駄にダイエットに励む必要なんてない。
人生もダイエットも、自分と向き合う事から始まるんだ。
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