恐山殺人事件 (内田 康夫)
(注:本稿は、2024年に初投稿したものの再録です。)
かなり以前に読んでいた内田康夫さんの “浅見光彦シリーズ” ですが、このところ、私の出張先が舞台となった作品を、あるものは初めて、あるものは再度読んでみています。
ただ、私の出張先も以前勤務していた会社のころを含めるとそこそこの都道府県にわたるので、どうせなら “浅見光彦シリーズ” の制覇にトライしてみようと思い始ました。
この作品は「第21作目」です。今回の舞台は “恐山”。
恐山には、大学時代に東北をぐるっと回る旅行をした際訪れたことがあります。もう45年ほど前になりますが、いかにも “賽の河原” といった荒涼とした風景が記憶に残っています。
ネタバレになるとまずいので内容の詳細には触れませんが、この作品、内田さんのミステリーにしてはかなりレベルが低いと言わざるを得ません。
犯行の動機は極めて在り来たりですし、読者の推理をミスリードさせるようなエピソードもかなり唐突に差し込まれていて、不自然さが半端ではありません。警察の事件捜査と並行して光彦の推理を辿るという楽しみも用意されず、ラストも雑ですね、とても残念です。
さて、取り掛かってみている “浅見光彦シリーズ制覇チャレンジ”、それほど強い意志をもって完遂しようとも思っていませんので、まあ、“どこまで続くことやら” です。
次は、「日光殺人事件」ですね。