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数学的思考トレーニング 問題解決力が飛躍的にアップする48問 (深沢 真太郎)

(注:本稿は、2021年に初投稿したものの再録です。)

 SNSで紹介されていて興味を持ちました。
 はるか昔の高校時代は “数学好きの文系” だったので、この手の「専門書ではない数学本」にはつい手が出てしまいます。

 ですが、実際の内容は全く予想していたものとは違っていました。ある種のロジカル・シンキングの入門書ですね。

 著者の深沢真太郎さんは「数学的思考」を「数学をするときに頭の中でする行為」と定義しています。
 著者が挙げる数学的思考の要素は5つ。「定義」「分解」「比較」「構造化」「モデル化」です。

 そうやって著者が伝えたいことを分解してしまうと、個々のロジカル・シンキングの要素という点では、特に “目新しい” 気づきはありませんでした。ただ、それらを「数学的思考」というコンセプトでまとめ上げた着想には “オリジナリティ” が感じられます。なかなか面白いチャレンジですね。

 あと、本書を読み通しての感想ですが、本書で著者から投げかけられる「演習問題」や「自習問題」、これには(いい意味で)少々参りました。
 何に参ったかというと「私の頭のかたさ」です。

 考えようとすると、何とか答えを “絞り出そう” としてしまうんですね。“ぽっとアイデアが浮かぶ” とか “ふわふわと発想が湧き出る” とか・・・、そういった軽快な頭の動かし方が、私には全くできないことに改めて唖然としました。(昔、といっても50年近く前は、これほどではなかったと思うのですが・・・)

 「自分の頭(思考回路)の劣化」の酷さに気づけたのが、本書を読んだ “最大の成果” です。



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