限りある時間の使い方 (オリバー・バークマン)
(注:本稿は、2023年に初投稿したものの再録です。)
通勤で利用しているJR駅のエキソトにある書店で平積みになっていました。気になっていたのですが、いつもの図書館にも所蔵されていたのでさっそく借りて読んでみました。
「時間管理」をテーマにしたHowToモノはよく見かけますし、最近では「コスパ(コストパフォーマンス)」と並んで「タイパ(タイムパフォーマンス)」という言葉も一部で使われているようです。
紹介文を読む限りでは、本書はちょっと切り口がユニークそうですね。私の興味を惹いたところから、2、3覚えに書き留めておきましょう。
まずは、著者の議論のスタートとなる「時間管理」についての基本スタンスです。
“ひとつのことをやり終えたと思っても、すぐその余白はすぐ次のことが埋めてしまう”、そしてそういった現実に加えて “自分ができることには限界がある” ということを理解するのです。
限界を意識すると、「将来」に期待する無意味さと「今」の大切さに気づきますね。
“未来を夢見る” ことが全く無意味だとは思いませんが、それがために “今” を軽んじるのはある種 “無責任” ですし、確かに目の前の現実からの “逃げ” であり、その “言い訳” とも言えます。
本書を通じて説かれている著者の主張は、
「時間を効率的に使って、やるべきだと思うことを全てやろうとしても無理。目の前にある『次にすべきこと』『それしかできない』ことをやろう、すなわち“今、やれることをやろう”」
ということのようです。
そのアドバイスは直截的で首肯できるものです。
ただ、そのことを伝えるのに本書の説明はあまりにも冗長です。ページを繰るごとに立論が深まっていくのではなく、同じところをぐるぐる回っているだけのような説明ぶりです。
それこそ “タイパ(タイムパフォーマンス)” が悪い本でしたね・・・。
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