僕の昭和歌謡曲史 (泉 麻人)
著者の泉麻人氏は、1956年生まれ、私より3歳年上になりますが、ほぼ同世代。本書に取り上げられている楽曲や歌手のかなりのところは私の記憶とも重なります。
小学生のころは、テレビの歌番組「ロッテ歌のアルバム」が流行歌の入り口でしたし、当時のアイドルの登竜門だったスカウト番組「スター誕生!」も結構見ていました。
中学生のころは、「平凡」「明星」の付録の歌本が放課後のバイブルでした。グループサウンズからフォーク、ニューミュージック・・・。初めて買ったレコード(LP版)は吉田拓郎でしたね。フォークといえば「拓郎・陽水・かぐや姫」の世代ですから。
その後、高校時代になると、いきなりキャンディーズに傾倒し、1978年4月4日の後楽園球場での解散コンサートでは一塁側スタンドから紙テープを投げていました。
と、こういった時代を共有した方であれば、本書を書くにあたっての泉氏の選曲やその曲の背景・思い出話等々には、少なからず共感されるのではないでしょうか。「三丁目の夕日」に代表される「昭和懐古ブーム」にシンクロする世代にはぴったりでしょう。
もちろん、中には、泉氏ならではの「さすがに、ここまでは知らないだろう」といったマニアックな歌手や曲も登場します。(ただ、それらのかなりの部分も、うっすらと思い出すことができます・・・)
たとえば、
さて、本書、「昭和歌謡年鑑」といった体裁ですが、実体的には、「昭和の歌謡曲」をモチーフにした泉麻人氏の「私小説」ならぬ「私エッセイ」という趣きの内容です。
誰しも「流行歌」にまつわる思い出話のひとつやふたつはあるでしょう。私の場合も昔を思い出しつつ列挙してみると、こんな曲が並びます。
ただ、ここではそれぞれのエピソードは書かないでおきましょう。
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