
城崎殺人事件 (内田 康夫)
かなり以前に読んでいた内田康夫さんの “浅見光彦シリーズ” ですが、このところ、私の出張先が舞台となった作品を、あるものは初めて、あるものは再度読んでみています。
ただ、私の出張先も以前勤務していた会社のころを含めるとそこそこの都道府県にわたるので、どうせなら “シリーズ全作品制覇” にトライしてみようと思い始ました。
この作品は「第29作目」です。今回の舞台は “城崎温泉(兵庫県)”。
兵庫県の瀬戸内海側は、学生時代、社会人時代をあわせもう数えきれないほど行き来していますが、日本海側はトンとご無沙汰です。印象としては冬の寒々しい風景を思い浮かべるのですが、実際はどうなのでしょうね。
ミステリー小説なのでネタバレになるとまずいので内容には触れませんが、この作品、浅見光彦シリーズとしては珍しくかなり荒々しいストーリー展開でしたね。
陽一郎の弟であることが判明する前の警察署内でのやりとりをはじめ、その後の関係者の動機にまつわる物言いなど、光彦の態度がいつもになく強引でちょっと引いてしまいます。
さらにはラストに至る“詰め”もかなり乱暴で、犯人との対決も物証も乏しいその場しのぎ的な甘々の推理の開陳でした。まあミステリーとしての“伏線回収”はうまく仕上げていましたが・・・。
さて、取り掛かってみている “浅見光彦シリーズ制覇チャレンジ”、それほど強い意志をもって完遂しようとも思っていませんので、まあ、“どこまで続くことやら”です。
次は、30作目の「隅田川殺人事件」ですね。