反省記 ビル・ゲイツとともに成功をつかんだ僕が、ビジネスの“地獄"で学んだこと (西 和彦))
(注:本稿は、2021年に初投稿したものの再録です。)
初期(1970年代後半~)のベンチャー起業家の代表的人物である西和彦さんの著作です。
ご自身が語る「反省記(半生記)」ということで興味を持ったので手に取ってみました。
読んでみて感じるところですが、こういった自叙伝的な著作にありがちの「過度な自己礼賛」はまったくありませんね。もちろん成功譚も紹介されていますが決して華美な虚飾ではなく、その時々の西さんのありのままの姿や気持ちが書き連ねられています。
まさに期待どおり、エネルギッシュでドラマチックな西さんの半生(反省?)を彩る様々なエピソードが満載です。
それらの中から私が気になったところです。
数々の型破りなエピソードも興味深いものがありましたが、その中で時折見せる西さんの “謙虚な姿” や “オーソドックスな考え方” も大いに勉強になりました。
リアルな場面が浮かんできますね、とても大切な考え方だと思います。
そしてもうひとつ、まるでジェットコースターに乗り続けていたような激動の半生を経た西さんが考え続けてきたこと、「幸せとは?」
西さんが至った答えはこうでした。
確かにそうですね。これだけの波乱万丈の人生を経ての結論には心底深く重いものがあると思います。
本書には、西さんと深い関わりがあった人物が数々登場します。
その関わり様はさまざまですが、結局のところ最後はそういった方々への “感謝の気持ち” に行き着いたようです。
その中でも、西さんの生き方に特に大きな影響を与えたのがCSKの創業者大川功さんと「財界の鞍馬天狗」の異名を持つ銀行家中山素平さんでした。このお二人に対する西さんの感謝の念は言葉では言い尽くせないものがありました。
確かに、西さんに接したこのお二人の姿はとても魅力的ですね。機会を見つけて、今度はこの方々を描いた本を読んでみましょう。