思考の技術 - エコロジー的発想のすすめ (立花 隆)
(注:本稿は、2021年に初投稿したものの再録です。)
立花隆さんの著作は久しぶりです。タイトルもシンプルで直截的ですね。
1971年が初版の立花さんのデビュー作とのこと。本書を手に取ると、ある種「古典」に向き合うようなピリッとした心持ちになります。
さて、読み終えてみての素直な感想ですが、驚くべきことに、書かれている内容についていえば、その本旨は現代にもそのまま通用するものでした。
本書に採録されている「文庫版あとがき」は1990年に記されていますが、その中で立花氏自身、こう書いています。
そして、上記に記されたこの著作の1990年時点の評価は、今、2021年(当時)においても同じです。
これは、立花氏の “類まれな先見性” を証明していると同時に、半世紀経っても人間社会における根本的課題が解決していないという “社会の後進性” の表れでもあるということです。
この1971年当時の立花氏からの「警句」を、私たちは、まさに今、改めて本気で受け止めなくてはならないのです。