平和をつくった世界の20人 (K.ベラー/H.チェイス)
本書は「岩波ジュニア新書」のシリーズですが、自分にあまり馴染みのないテーマについて学ぶには、分りやすくて手ごろだと思います。
登場するのは、様々な取り組みで「平和」を築くことに貢献した20人の人物です。ノーベル平和賞等の受賞者で誰でも知っているような人もいれば、功績に比してそれほど人口に膾炙されていない人も紹介されています。
たとえば、私にとって、本書を読むまで恥ずかしながら知らなかった人物、ヘンリー・デイヴィッド・ソロー。
19世紀を生きた人ですが、「平和で簡素な生活」の必要性を説いたとのこと。彼のエッセイ「一市民の反抗」は、後に、「非暴力による差別撤廃」を訴えたマハトマ・ガンディーやキング牧師にも大きな影響を与えたそうです。
そのソローの言葉です。
そして、非暴力により人種差別撤廃を訴え続けたマーティン・ルーサー・キング・ジュニア。
キング牧師と同様に南アフリカのアパルトヘイト撤廃に尽力したデズモンド・ツツ大主教。
彼がとった「自らが犯した人権侵害を謝罪した加害者を赦す」というやり方に対しては、彼を支持する人々の中からも非難する声があがりました。
これに対するツツ大司教の言葉です。
「赦す」ということは、単に「過去のことを水に流す」といったことではありません。「赦す」ことの代償は「新しくやり直すこと」であり、「赦す」ことはそのための重要なプロセスだというのです。
さて、最後にご紹介するのは、「非暴力主義」で有名なマハトマ・ガンディーの言葉。
自信をもってこう語れる生き様は、想像を絶する苦難の連続だったはずです。本当に素晴らしい言葉だと思います。
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