世界がもし100人の村だったら (池田 香代子)
2001年ごろ、インターネット内のメールで書き足され書き換えられながら広まった小文をとりまとめたものです。
一時期かなり話題になりましたね。
今頃になって偶々いつも利用している図書館の書棚で目に付いたので手にとってみたのですが、改めて書評を見ると結構評価がバラバラのようです。それだけに、かえって興味を惹きますね。
そもそも、ネット環境の中で形作られたものですから、立ち位置は、ある程度の経済水準にある人々の視点です。
その最も中心となるメッセージは、
というものでしょう。
このフレーズ自体、恵まれた立場の人からの言い方ですね。
生きるのに精一杯の人から搾り出すように発せられた声ではありません。そういった境遇になる人々は、自分の生きている今この場所のこと以外、考えをめぐらせる余裕すらないはずだからです。
そのあたりの感覚・感性の違いをどう捉えるかが、本書に対して抱く印象を大きく振らせているのだと思います。
しかし、本書で取り上げられているような現状・実態を知らないでいるより、まずは知ること、このことは私は決定的に重要だと思います。
スタートはそこからです。